家康殿との対話:河井継之助、そして現代日本の「下品」な実態
河井継之助の武装中立論が無視され、薩長に屈せざるを得なかった幕末の現実を描きつつ、現代政治やメディア批判へと重ね合わせる。家康殿との対話形式で、為政者の資質、歴史の教訓、そして日本社会の本質に鋭く迫る論考。
著者が架空の人物、家康殿と対話する形式で、河井継之助の先見性や、師・山田方谷との師弟愛を論じ、テレビの大河ドラマでは伝わらない歴史の本質を問う。さらに、現代日本の「下品」な実態として、大言壮語する政治家やジャーナリスト、そして対話のない家庭がはびこる社会を厳しく批判。歴史上の偉人たちの命がけの決断と現代の為政者や言論人の軽薄さを対比させ、真の「知恵」と「胆力」が失われた現代に警鐘を鳴らす。
…前略
継之助の真意は、遂に西軍には伝わらず、彼の武装中立論も空論に終わったのである。
城中に戻った継之助は藩士らに話した。
「王師たるものは、戦いを好み、民を苦しめるものであってはならぬ。しかるに、薩長の徒は、いたずらに兵力をたのんで、我ら小藩を脅迫する。これは、朝廷の名を借りて、私欲を満たそうとするものである。彼らが戦いを挑めば、我らも立たざるべからず。」
…後略
この時、何度も西軍の本営を訪れた河井継之助を、…その名声も知らず、鼻であしらい嘆願書には目もくれず、30分ほどで席をたってしまった…という23歳になったばかりの岩村誠一郎という小童(こわっぱ)は、Kisara殿が糾すところの…薩長の雑兵の最たる者だろうし、後略…輩の一人だろう。
のぉ、家康殿。
大たわけ、どたわけじゃ。
言語同断。これ、「下品」、の始まり也。
Kisara殿は、何故、この辺りの事を読みだしたのかの。
家康殿、貴公を奉っている金地院がある南禅寺への、疏水側からの入口に、山形有朋の別荘が在るのじゃ。
うむ。
わしが年齢的には若かった時に…
うむ。あえて注釈を入れたでござるな(笑)…
南禅寺の左隣に住んでいたことがある事は既述の通りじゃが、
うむ。…
ここには、一生の間に絶対に行く事はないな、と通るたびに思っていたからじゃ。
うむ。
何であれ、一介の政府高官に過ぎなかった者が…しかも元々は長州藩の25石ほどの者じゃった…こんな、日本の宝物の様な場所に広大な別荘を構えられていたのか、ということと、中略…わしは思っているからじゃ。
御意。
私が1月29日に、「おはようございます」。と題して書いたことが、正に、実証されています。…
楽しい話ではなく、「全く…」と言うような話ではありますが、現政権に肩入れした論説員たちの、「許されざる者たち」(笑)としての罪も、実証されている記事です。
先ほど、週刊現代編集部の方に、一部を引用したい旨について御了解を頂きましたので、後ほど。
前章に書いた週刊現代の記事を読むことが出来たのは、くりきんとんさんに感謝なのです。…今度、一緒に、ライブに行く事を楽しみにしていた彼女がお茶に誘ってくれた席で…「Kisaraさん、これ読んでみたら。気になったから途中で買って読みながら来たんですよ」
家康殿、
うむ。
さっき、長い付き合いの方と話をしていて、へぇーと思った事の幾つかを話そうと思うんじゃが。
御意。
関西ペイントは自動車用塗料の大手なそうだが、落書き防止用の塗料まで作っているんだって。
うむ。大したもんじゃのぉ。流石、日本企業じゃ。
産業界は一流…なには何のようじゃがのぉ。
この御仁は、言わば世界を飛び回る事を仕事としてきた人物なのじゃが
さらに面白い事を話してくれよったんじゃよ。
うむ。
4年ほど前の事らしいんじゃが、国境を接した大国の間で起きた事件があったらしいんじゃ。
うむ。
片方の国は、美味しいカニを食べたいという層が増えて来ているんだと。
うむ。
そこで漁船団が、片方の大国の領海に入りこんで蟹を乱獲したんだと。
うむ。
カンカンに怒った大国は、一網打尽に、これを捕まえて、相手の大国に、莫大な損害金、保証金を要求したんだと。
うむ。
政権が発足したばかりだったらしいのじゃが、トップが吹っ飛んでいったのだとさ。
うむ。
それでも相手は強硬で、仕方なく、この漁船団の首領二人を銃殺刑とすることでケリをつけたんだとさ。
日本では全く報道されなかったらしいんじゃが、彼は、相手方の政府高官から直接聞いて知っていたんだと。
うむ。
それで彼は尖閣諸島の問題が起きた時に、失笑しながらみていたんだとさ。
おまけに、この話には後日談があって、どんどん発展を続けている大国は、相手方の大国との国境に沿って、頑丈で、超幅広の道路?!を作り出した事に対して、相手は、何だこれはと問いただしたら、「道路です」と答えたんだと。
うむ。
当然ながら、飛行場=滑走路だった訳だが、と。
私は即座に、この時の屈辱感の為せる業だったのだろうなと推測したのじゃが。
御意。
Kisara殿、世界は、21世紀どころか、まるで…。
Kisara殿、世界は、21世紀どころか、まるで、信長殿、秀吉殿、そして、わしが統一する前の戦国時代のようじゃのぉ。
わしらの智恵と胆力、能力を持っていなければ、その様な者たちを相手の交渉なぞはできぬのではないか、大名以前の小姓や小童、雑兵たちが頭をひねってもどうにもならんじゃろ。
おまけに、現代は、道鏡のような者たちに耳を傾けて為政を為しているようでは、どうしょうもないのぉ。
Kisara殿も御存じの様に、わしらの時代は昨日の敵は今日の友、Kisara殿からみれば呆れかえるほどの合従連衡を繰り返して来た訳だし、相手に対してだけではなしに、わし自身もそうじゃった。
御意。
それは何故かといういことは、Kisara殿は、とうに御存じじゃろぉ。
御意。
家臣=国を抱えた命がけの世渡りでござったからじゃろ。
流石、Kisara殿じゃ。Kisara殿は、よう知っておいでのように、わしは妻をも殺さねば成らなかった時もあったし、皆、自分の娘、息子たちまでも犠牲にして、自分たちの国を守ろうとしたのじゃよ。
御意。
今、浅井殿の娘たち…淀君や妹の号たち三姉妹の事を、別嬪女優を総動員して、NHKとやらはドラマ化しているのじゃろう。
御意。
皆、国を守るために自分の子供たちを人質に出してまで国の安泰を計った、そこの所を現代の人々や為政者が分かってくれなければ、わしらも浮かぶ瀬がないぞ。
御意にござる。
家康殿。
うむ。
今、NHKのクローズアップ現代で、…家庭には対話がない事が、引きこもりを云々…と言っておったのじゃが。
うむ。
日本の家庭の90%以上に、本当の意味での対話なぞはない事も知らぬのか、このおためごかしが、と、少しばかり腹が立ったぞな、もし。
ゴホ、ゴホ。
日本の家庭に、本当の対話が有るならば、相撲の八百長も、史上最低と言ってもいいような為政者たちや、道鏡まがいの言論人たちなぞが存在することもない訳じゃよ。
ううーむ。Kisara殿、お主は、紛れもない21世紀の空海じゃ。
わしはお主と出会えて嬉しいぞ。
泣くぞ。ウォーン。