三菱UFJ、最終益5000億円で四半期最高益 ― モルガン連結化が寄与、四大銀合計も大幅増益

三菱UFJ最終益5000億円 モルガンを連結化で…日経新聞7月30日7面より
2011年07月30日


四大銀の4~6月三井住友、最高益に迫る

大手銀行4グループの2011年4~6月期の連結決算が29日出そろった。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は米モルガン・スタンレーの連結子会社化に伴う臨時利益という特殊要因で、連結最終利益が約5000億円と前年同期比3倍に急増。

四半期ベースで最高益となった。三井住友FGも最高益だった前年同期に迫る2066億円。3月にシステム障害を起こしたみずほFGは35・6%減の大幅減益で、高コスト体質の是正が急務だ。

■不良債権処理損が減少

大手4グループは三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな。連結最終利益の合計は前年同期比49%増の8668億円となった。けん引役は四半期ペースでの過去最高益を記録した三菱UFJで5005億円の最終利益を計上した。

モルガン・スタンレーの連結子会社化という特殊要因を除いた実質ベースも2099億円で、26・2%の増益となった。米国の銀行子会社の不良債権処理が一巡し、連結ペースでの不良債権処理損失が前年同期の541億円から189億円へ大幅に減ったのが主因だ。

三井住友の連結最終利益も最高益を記録した前年同期(2118億円)にほぼ肩を並べた。

大震災の影響で経営が悪化する取引先が増えれば、与信費用も増加すると懸念されていたが、むしろ三井住友では取引先の経営改善で不用になった引当金などを利益計上する「戻り益」が発生した。

企業倒産の減少に加え、政府による企業の資金繰り支援策が後押しした面もあった。4グループ合計では、前年同期に123億円だった不良債権処理損失は428億円の「戻り益」に転じた。

国債など債券売買益も予想以上に膨らんだ。三菱UFJと三井住友は1~3月期の債券売買益が100億円未満にとどまり、今期も低水準で推移するとみていた。しかし長期金利の低下(債券相場は上昇)で三菱UFJが前年同期とほぼ同水準の743億円、三井住友も前年同期比22・5%減の582億円を確保した。

■みずほは36%減益

3メガバンクの中で見劣りが否めないのがみずほだ。連結最終利益は前年同期比で35・6%減の963億円。システム障害による直接の影響は、顧客のコストを負担した「数億円」にとどまったが、預金と貸出金の利きやなどから得る資金利益は5・5%減少。経費率(単体べース)も三井住友の46・9%に対し、みずほは59・1%(2行合算)と10ポイント以上高い。

先行きについては、4グループとも、慎重な姿勢で一致している。被災地の復興の遅れに加え、欧米の財政不安も影を落とし、先行きの不良債権の処理費用が膨らむ懸念がくすぶる。

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