民主党失敗の本質:官僚・古賀茂明が語る「たった7日で終わった脱官僚」

2011年、雑誌『AERA』に掲載された経産官僚・古賀茂明氏のインタビューを紹介。民主党政権が、予算編成のスピードを巡って財務省の「罠」に陥り、官僚主導から脱却できなかった根本的な原因を解き明かす。

7日で終わった脱官僚…AERA8月29日号より
2011年08月23日

経産官僚、古賀茂明が語る民主党失敗の本質

政権交代に期待した有権者を見事に裏切った民主党。
国家公務員制度改革を叫び続け排除された、現役官僚・古賀茂明さんに「民主党失敗の本質」を聞いた。

ー民主党の迷走はどこから始まったと思いますか。

つまずきは政権発足直後に起きています。

「予算の年内編成」と表明し、財務省の罠にまんまと落ちた。年内に予算を仕上げないと国民生活に影響が出る、予算編成もろくに出来ないのかと言われる、と脅かされたのでしょう。

9月に政権を取ったばかりの政党が、旧政権が決めた概算要求を白紙にし、自前の予算を12月までに仕上げるのは無理がある。
暫定予算を組み、越年してじっくりやればいいのに、財務省はあえて年内編成を進言し、「財務省の協力なしに年内編成は出来ない」民主党を身動きできなくしたのではないか。

日程でからめとられスケジュールでからめとることは官僚の常套手段です。

日程をきつくして、今これが必要です、すぐにこれを、と追い込んでゆけば、政治家はじっくり考えるゆとりがなくなり、大局的な思考を失う。次はどうすれば、とあたふた頼ってくる政治家に都合のいい情報を注入すれば、説得しなくてもなびいてきます。

…後略。

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