後藤久美子 ― 「男はつらいよ」に残された永遠の美

WOWOWで放映された「男はつらいよ」シリーズを通じて、後藤久美子が日本女性の最上の美を映像に刻んだことを振り返る。
山田洋次監督の作品の中で、彼女は「完全なる美」を永遠に残した。
ジャン・アレジとの結婚後、欧州で暮らし、日本のテレビやメディアに姿を見せないのも、その達成ゆえに自然な選択だと論じる。

映画『男はつらいよ』シリーズにおける女優・後藤久美子の役割と、彼女が表現した「日本女性の美」について考察するエッセイ。
彼女が日本のテレビやメディアから遠ざかり、ヨーロッパで生活していることを、日本の「愚かしさ」から離れ、作品の中で表現した「真実」を生きる選択として肯定的に捉える。

2013-01-26
後藤久美子について。
wowowでは昨夜も7時から「男はつらいよ」を放映していた。タイトルは〈寅さんの休日〉だったと思う。
これは、ちょっと見るのが辛い気持がして、途中でチャンネルを変えたのだったが。
今朝、9時から、また「男はつらいよ」を放映していた。タイトルは〈ぼくの伯父さん〉これは、土曜日の朝から見るのにも良いなと思い、観ていた。
後藤久美子は、当代最高の監督が描く日本の美しさ、最上のdecencyの表現と言っても過言ではない映像の中で、日本女性としての最上の美しさを表現し尽くした。
その美は、もはや、これいじょうものは有り得ないというほどのものである。
彼女は女優として完全なる美を永遠に映像に残したのである。
しかも当代最高の映画監督である山田洋次の全国民の宝物であるシリーズの中に於いてである。
彼女が、ジャン・アレジと結婚して、言わば、欧州のエッセンスの中で暮らしているのは、当然であろう。
この20年間の日本の愚かしさに、全く比例していた痴呆テレビには全く顔を出さず、日本のマスメディアには全く顔を出さず、欧州のエッセンスの中で暮らし続けていたのは、彼女が為した達成から見れば当然なのである。
「男はつらいよ」の中で、彼女が見事に表現した真実を生きる場所として、特権的欧州を選択した事は当然なのだと、私は思うのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。