これまで偽の慰安婦の物語を作り出した吉見義明ら日本の研究者たちは、この本に誠実に応えなければならない
偽りの慰安婦物語に終止符を打つ日 ― 日韓米の真実勢力が暴き始めた歴史
西岡力氏が、慰安婦問題の虚構をめぐる30年超の論争を総括し、韓国の李栄薫・朱益鍾、米国のラムザイヤーらの研究成果を紹介。強制連行・性奴隷説を否定する一次資料の蓄積に基づき、吉見義明ら日本の研究者が偽りの物語に誠実に応えるべき時が来たと論じる必読の論文。
これまで偽の慰安婦の物語を作り出した吉見義明ら日本の研究者たちは、この本に誠実に応えなければならない
2024年06月15日
以下は産経新聞6月12日に掲載された西岡力氏の論文からである。
彼もまた最澄が定義した「国宝」、至上の国宝の一人である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
嘘からの「慰安婦問題」終わる日
麗澤大学特任教授 西岡力
国と先人の名誉傷つけた
私は慰安婦問題を巡る論争に1991年から加わり、強制連行説、性奴隷説は事実ではないという論陣を張り続けてきた。
私の持論は、慰安婦は歴史のある時期に存在したが、まだ解決すべき課題が残っているという意味での慰安婦問題は存在しない、だった。
言い換えると、91年に朝日新聞が捏造報道を交えて大キャンペーンをし、日本の反日学者、弁護士、運動家が裁判を起こした後に、まだ解決すべき課題が残っているという意味での慰安婦問題が生まれ、それが韓国に飛び火し外交問題として急浮上したのだ。
そして今現在も、事実無根の強制連行説、性奴隷説が拡散し、わが国と先人の名誉を著しく傷つけている。だから真実を広く知らせて汚名をそそぐことが、現段階の私の考える慰安婦問題だ。
朝日新聞が2014年に部分的ではあるが自社の慰安婦報道の誤りを認め、過去の記事を削除し謝罪したことにより、日本国内での論争はほぼ決着がついた。
現在、外務省はホームページで「強制連行」や「性奴隷」といった表現、慰安婦の数を「20万人」または 「数十万人」とする表現について 「史実に基づくとは言いがたい主張」だと断定し、反論を加えている。
また菅義偉内閣の答弁書の閣議決定によって、「従軍慰安婦」 「慰安婦強制連行」という表現の使用は教科書検定基準違反となった。
韓国や米国など国際社会においてはいまだに強制連行説、性奴隷説が幅を利かせている。
その状況を打ち破るための努力が、日本だけでなく韓国と米国の勇気ある学者、運動家らによって力強く展開されている。
韓国では李栄薫元ソウル大学教授のグループが名著 『反日種族主義』を韓国で19年に出版し、10万部を超えるベストセラーになった(日本語版は40万部を超えた)。
同書によって多数の韓国人が強制連行説、性奴隷説の誤りを知った。
韓国や米国でも是正の動き
同書の共著者の一人である李宇衍博士によって、拙著『よくわかる慰安婦問題』、この問題の古典とも言うべき秦郁彦著『慰安婦と戦場の性』が次々に韓国語に翻訳出版された。
19年12月から、李宇衍氏と保守運動家の金柄憲氏らが慰安婦像撤去を求めるデモを始めた。
彼らは、日本大使館前の慰安婦像のすぐ近くで、慰安婦像を立てた反日団体の集会と同じ時間帯
に、慰安婦像撤去デモを毎週行っている。
米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授が20年、慰安婦制度は性奴隷ではなく年季奉公契約に基づくものだとする学術論文を学会誌に発表した。
それに対して在米韓国人学者をはじめとする米国の左派学者らが激しい反発をみせ、韓国マスコミも連日、ラムザイヤー教授を攻撃した。
しかし同教授はその不当な攻撃に屈せず、今年1月、ジェイソン・モーガン麗澤大准教授と共著で『TheComfort Women H oax(慰安婦の作り話)』という英文学術書を出版した。
そして、『反日種族主義』の別の共著者である朱益鍾博士が昨年12月、韓国で『日本軍慰安婦インサイドアウト』という大作を出版した。
朱氏は韓国マスコミや韓国と米国の学会関係者がラムザイヤー教授に対してでたらめな人身攻撃をしていることを見過ごすことができず、32篇のユーチューブ講義を行い、その過程でこれまでの慰安婦に関する日、韓、米などの研究、慰安婦と売春制度に関する
一次史料、元慰安婦の証言などを集めるだけ集め学者として緻密な研究を行った。
その成果を単行本にしたのだ。
決定版の新著発刊を前に
慰安婦問題に関する決定版とも言うべき同書の日本語訳『反日種族主義「慰安婦問題」最終結論』が近く、日本で出版される。
それを記念して、私か会長をしている歴史認識問題研究会が朱氏を招いて6月15日に東京、16日に大阪で記念講演会を開催する(詳細は研究会HP)。
朱氏は日本語版の後書きにこう書いている。
「第二次世界大戦のとき、日本軍は東アジアの多くの国、地域にわたって女性を軍慰安婦として動員したが、その問題で日本政府を最も執拗に、最も長い間追及したのは韓国人だった」
「この韓国の慰安婦運動家を助けた一群の日本の知識人たちが…各種の資料を発掘・分析して『日本軍慰安婦し強制動員された性奴隷』という認識を確立し…韓国の慰安婦運動家たちは、彼らの後押しを受けて日本政府を攻撃した」『研究は日本、運動は韓国』という役割分担まであるかのようだった」
「しかし、日本の研究者たちが発掘して分析した資料を検討すれば、強制動員された性奴隷…という慰安婦の物語は成立しない」
「これまで偽の慰安婦の物語を作り出した吉見義明ら日本の研究者たちは、この本に誠実に応えなければならない」
日韓米の真実勢力がいまそれぞれの場所で、嘘を暴いている。
慰安婦問題が終わる日が近づいてきた。

2024/6/12 in Kanazawa