でも、実際には、ドイツ政府はいま、再エネをこれ以上増やさないようにするため、必死で頭を捻っているのですよ。2024年06月20日

再生エネルギーを自画自賛するドイツだが、実際には政府が“これ以上再エネを増やさないため”法改正を行い抑制へ転換している。再エネによる電力不安定化と高騰、電力会社の赤字拡大が背景だ。日本の新聞はこの現実を報じず、原発停止と再エネ礼賛の誤った認識を広めている。対談は朝日新聞の誤報体質とエネルギー政策の根本的問題を鋭く指摘する。

でも、実際には、ドイツ政府はいま、再エネをこれ以上増やさないようにするため、必死で頭を捻っているのですよ。
2024年06月20日

以下は、2016/10/30に、日・米・独ー10年後に生き残っている国はどこだ、と題して出版された、高山正之と川口マーン恵美の対談本からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

以下はp112からの、日本経済の未来は明るいが……

何の問題もない原発、しかも、電力供給で重要な役割を担っていた原発を、一気に全部停めることなんていう自殺行為は、日本以外はどこもやっていません – 文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization (goo.ne.jp)の続きである。

川口 
再生エネルギーの技術の開発には、私だって異議はありません。
間違いなく、遠い将来には重要になるエネルギーだと思うし、日本も、蓄電池などの分野でどんどん研究を進めればいい。
いまのドイツでは、まあ、日本も同じですが、その再エネ産業で儲けている人がたくさんいます。
全量、固定価格で優先的に買い取ってもらえるから、とにかくつくれば儲かる。
だから、再エネ産業としては一応、雇用も売上げもあるのですが、エネルギー政策としては国益の足を引っ張っているだけです。
経済的にも無駄が多すぎる。 
そのマイナス分が消費者の電気代に載るから、ドイツの電気代はEUで2番目に高い。
日本だって、これからどんどん上がるでしょう。
高山 
本当に再エネが安いというなら、買取制度をやめればいいんだな。
そうすれば、再エネを買う人は誰もいなくなる。
川口 
先日、ドイツのヘンドリクス環境大臣が来日していましたが、ドイツのエネルギー政策の自画自賛ばかりでした。
でも、実際には、ドイツ政府はいま、再エネをこれ以上増やさないようにするため、必死で頭を捻っているのですよ。
法律も変えています。
日本の新聞記者は何も知らない人が多いんじゃないですか?
高山 
そこがおかしい!
川口 
もっとおかしかったのは、今年の6月27日の朝日新聞です。
その翌日28日に原発を持つ各社が株式総会を開く予定だったので、それについての記事です。
「原発を持つ電力大手9社が明日一斉に株式総会を開く。株主から、70件を超す議案が出され、大部分が脱原発を促す内容だが、9社の経営陣はことごとく否決に持ち込む構えだ」と書いています。
でも、経営陣が株主総会の議案を否決に持ち込むことはできないはずです。
高山 
株主が決めますからね(笑)。
川口 
株主総会で議案が可決、あるいは否決されるのは、会社の持ち主である株主の意思表示で、経営陣としては、株主の意向を聞くために株主総会をやるわけです。 
朝日新聞はわざとそのルールを知らないフリをしているのかもしれませんが、あたかも株主みんなが脱原発をしたいのに、経営陣がそれを壊すかもしれないというような書き方をしています。
記事のいちばん最後も、「株主のほうに耳を傾け、原発に頼らない未来を切り開く道筋を共に探る。そういう姿勢を電力会社の経営陣に望みたい」とまるであさってのことを言っています。 
高山 
言われてみれば確かにそうですね。 
川口 
高山さんが関心を持ってご覧になっていらっしゃらなかったとすれば、ほかの人たちも、皆そうでしょう。
でも、考えてもみてください。
この株主総会では、脱原発の意見はわずかで、結局、否定されたのです。
なぜです?
高山 
いちばん採算がとれて、将来性もありますからね。
川口 
日本はいま世界一高い値段で石油や天然ガスを買っています。
足元を見られているからです。
なのに、いまだに40年を超えた原発の継続使用についてくだらない議論をしています。   
40年経つともうボロボロになっているというイメージがあるらしいのですが、原発は常に点検し、機械をどんどん交換しているので、40年経ってもピカピカで新品同様です。
「錆の出た自転車」を想像して発言している人は、一度見に行って欲しい。 
高山 
定期検査のしすぎで、稼働率がものすごく低いけどね。 
川口 
時計だって、とても調子よく動いているときに、全部分解して掃除すると、かえって調子が狂うのに(笑)。
この稿続く。

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