高市早苗新総裁を貶めるために動くオールドメディア──時事通信が示した「支持率を下げてやれ!」に代表される、彼らの本音

月刊WiLL最新号(p84–p93)掲載・高山正之論文の精密解説。高市早苗新総裁の会見で、時事通信のカメラマンが「支持率下げてやる」と発言した問題は、現代メディアの反権力ではなく「反日本・反保守」思想の表れであると指摘。朝日新聞の珊瑚事件、毒ガス捏造、吉田調書誤報など、戦後日本のメディア不正史を総覧し、なぜ彼らが反日的捏造を繰り返し、謝罪しないのかを解き明かす。朝日の威光が通じなくなり、取材拒否さえ起こる時代へ。高山氏は23年続いた「変見自在」終了の舞台裏も語る、必読の論考。
以下はWill今月号のp84-p93に掲載されている高山正之の論文からである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を証明している。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

高市をディスるオールドメディアの「支持率を下げてやれ!」
「高市潰し」発言は今の時事の政治部記者の考えを率直に表している

哀しい時代 
高市早苗新総裁が誕生した。
実に慶賀の至りだが、早速マスコミが高市批判を始めている。 
10月7日、高市が会見場に登場するのが遅れた。
待たされた報道陣の間から「えー、ひどい」「支持率下げてやる」「支持率下げるような写真しか出さねえぞ」などといった声がスタンバイしたままのマイクに拾われ、SNS上で拡散された。 
不謹慎な発言は後に時事通信社のカメラマンのものと分かり、時事通信社は「厳重注意した」と発表した。
記者でなくカメラマンの発言ということで世間の批判も中程度で終わったみたいだが、そうじゃない。
だいたいカメラマンはいつも行動をともにする記者からの感化というか、影響を受けやすい。           
いい例が朝日新聞の珊瑚記事捏造事件だ。
1989年、朝日のカメラマン本田嘉郎が沖縄県西表島の近海に潜ってアザミサンゴに「KY」と彫り込んだ。
「環境を傷つける悪い奴ら」を取材する企画だ。
それにぴったりの素材を記者が求め、本田はそれを十分理解しているから、そういう工作をやった。 
ぴったりの写真を見て記者の降幡賢一は「日本人は落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない」「百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の」と嬉しそうにダメな日本人を罵倒した。 
反日が売りの朝日はそれまでも満洲の馬賊の処刑写真を見つけ出しては「都城連隊が南京で虐殺をやった」、煙幕モクモクの写真が出てくれば「日本軍は中支で毒ガスを使った」と日本人を腐し、中傷してきた。 
この珊瑚落書き事件が示すように記者が考えることにカメラマンは常に同調してきた。
つまり時事カメラマンも常に同行する記者の考えに沿って行動する。
うそぶくときは本人は政治記者のつもりなのだ。
今回の「高市潰し」発言は今の時事の政治部記者の考えを率直に表している。 
こちらは二昔前まで現役の産経新聞記者で時事と共同通信社をよく見てきた。
はっきり言って共同は共産党より赤い。
中国や北朝鮮に媚びを売る最低の通信社だ。
共同がコラムから社説まで書く信濃毎日新聞を読めば、その酷さがよく分かる。 
対して時事は田久保忠衛や屋山太郎がいた。
記事もまともだった。
でも今は共同と張り合って高市を貶め、中国の機嫌を取るのに懸命だ。
中国出身の女優、高陽子が「(中国が日本を支配したって)いいじゃないですか」とテレビで言い放ったけど問題にもならない。時事もそういう時代風潮に合わせているのだろう。
哀しい時代になったものだ。

まともな記者がいない
 
ところで、珊瑚落書き事件では朝日はホントに見苦しかった。
地元のダイバーが「朝日が来る前に落書きなどなかった」と記事を否定すると、朝日は最初、「天下の朝日に向かって何を言うか」と怒鳴り返した。
八重山の方には朝日新聞は配達されない。
地元は朝日の威光など知らないから、正直に朝日は嘘を書いたと繰り返したしなめた。
朝日はふんぞり返ったまま、ぐじぐじ言い訳を重ねた。 
この騒ぎの数年前に朝日が一面に載せた「これが日本軍の毒ガス作戦だ」の写真を産経新聞が「インチキ」と指摘した。
それで佐竹昭美部長が産経の編集局に怒鳴り込み脅しあげたものの結果は産経の指摘が正しかった。 
朝日は戦場で焚かれた煙幕を日本軍を貶める目的で藤原彰・一橋大教授に「そうです。これが毒ガスです」と嘘をつかせて掲載したこともばれて渡辺誠毅社長のクビが飛んだ。 
その余韻が残る中で再び朝日が日本人蔑視の偽り報道をやらかしたらしいと知って各紙も糾弾報道を始めた。
朝日新聞は1ヵ月も見苦しい言い訳を重ねた挙句、ついには自作自演を認め、カメラマンと一柳東一郎社長が辞任した。
なぜか無辜の日本人を罵り倒した降幡は無罪。
その後も原子力問題で日本人を罵り続けていた。 
社長二人が相次いで悪質な偽り報道で辞任した。
まともなら「嘘お構いなし」の社是を変えるところだが、朝日に反省はない。
それはこの新聞にまともな記者がいないからだ。

傲慢朝日 

朝日以外の新聞記者は駆け出しのころから取材すること、謙虚と誠実さを大事にすることを学ぶ。
その第一歩が「ツラ取り」だ。
例えば事故で亡くなった児童の家に行って新聞に載せる顔写真をと家人に頼む。
言葉遣いを間違えれば叩き出される。
マナーを弁え、相手を考え、無理を通す。
横柄では務まらないが、朝日の記者は違った。
電話で「朝日に載せる」と言う。
家族は泣いて喜んで写真を用意して待っている。
世間が朝日の権威を認めていた時代が確かにあった。
ために朝日の記者はマナーを学ぶ機会を失い、横柄なまま育つ。
個人的な話だが、支局時代、締め切りに間に合わせようと現場から車を飛ばしていてパトカーに捕まった。
何を言っても警官は時間をかけ、切符を切った。
しかし同じ状況で朝日の車が止められると、警官は車にはためく朝日の社旗を見て「パトカーが先導してくれた」と、永栄潔『ブンヤ暮らし三十六年』(新潮文庫)にある。
同書に「北陸電力」騒動のくだりがある。
北陸電力の労組が「会社は各紙記者を(反原発派かどうか)思想調査している」と朝日の支局に垂れ込んだ。 
朝日の記者はネタの裏も取らない。
そのまま全国版一面トップで「北陸電力、記者を思想で差別」と報じた。
実際は電力記者クラブ所属か否かの識別だった。
所属記者はみなよく勉強している。
そうでないとイロハから教える。
その違いは大事だ。 
北陸電力倆は抗議するが、朝日は「載ったモノはしょうがないだろ」とふんぞり返る。
逆に北陸電力側が紛らわしい区別だと謝罪させられた。
傲慢でロクに取材もしない。
嘘ばかり並べ、ばれても謝罪もしない。
東電福島の原発事故で日立の関係者が「吉田調書」を朝日に持ち込んだ。
特ダネだからそのまま書けばいいのに、取材もしないで「東電職員700人大脱走」と打った。
世界が「危険な原発に龍る東電職員」の勇気を称える中、どうしても「日本人を腐したい」朝日の思いが先行したでっち上げ特
ダネだった。
朝日はそれを新聞協会賞候補にしたが、産経がすぐその嘘を暴き、特ダネは一転、誤報とされ記者は辞職した。
「取材しない朝日記者」「ネタに不足があれば嘘で埋めろ」の典型だった。 
そこまで朝日記者を傲慢にさせた責任は「吉田調書」を持ち込んだ人物に象徴されるように無能で傲慢な朝日新聞を買いかぶりすぎる世間にもある。

通じなくなった朝日の神通力
 
ところが、そんな世間も近ごろは風向きが変化しているようだ。 
朝日の田玉恵美論説委員が「取材拒否された」と憤懣遣る方ない筆でコラムを書いていた。
朝日はかつて渡部昇一が語ったように「まるで朝鮮人が書いている」ような反日信仰がある。 
田玉は「世界遺産めざす佐渡金山」で「強制連行された朝鮮人が使われた」という韓国側の主張に沿って新潟に取材に行った。
県立図書館で「朝日の者だが、これこれの資料を出せ」と言った。
しかし待たされた挙句「あるかどうかも言えません」と断られた。 
どうせ朝鮮人虐待話を捏造するのだろうと読まれている。 
田玉は朝日の要求が蹴られてびっくりし、激怒する。
そういうバカどもは朝日の紙面で叩いて報復に出たのがこのコラムだ。
朝日にひれ伏さなかったあの職員のクビもこれですっ飛んだと思っている。
毒ガス騒ぎの佐竹部長と同じ。
まるでヤクザだ。 
しかし、それほどの権威をもっていたはずの朝日が「窓口で断られた」ことは過去になかった。
朝日の神通力が通じなくなった。
何かとてもいい話を聞いた気分だった。 
今回、「週刊新潮」の我がコラム「変見自在」をやめるきっかけも、朝日が関連している。
こちらは23年間「変見自在」で朝日に「もうバカと嘘をやめよ」と忠告し、嘘を書いて恥じない記者を実名でたしなめ、取材の重要性を説いてきた。 
「創氏改名2.0」(2025年7月31日号)もその趣旨で、朝日がよく使う通名を取り上げた。
日本人でもない連中が日本人を装ってよからぬ嘘をつきまわる。
「朝日は身許をはっきりさせて書かせろ」と忠告した。 
そしたら、それが差別だと鬼の首を取ったように社説でこちらを叩いてきた。 
中で通名は日本人を騙す目的でなく「在日がばれると苛められるから自衛だ」とも言う。
そんなことで苛めがあったなど聞いたこともない。 
「なんでも朝日にお相伴」の毎日や東京新聞までが便乗して社説などでこちらをたたき出した。
在日絡みの団体も騒ぐ。
朝日が渡部昇一さんに因縁をつけたときは、ヘンな人権団体が上智大の教室まで雪崩れ込み、渡部教授の授業を潰した。
朝日の威光に添えば、どんな暴力行為も許されると信じる連中は多い。 
それが新潮社に押しかけるに至って休載をとお願いがあった。
こちらはこのコラム執筆のためこの23年間、土曜出稿、日曜ゲラ校閲で週末を潰してきた。
それに残された青春も少なくなってきたので、休載でなく連載打ち切りを伝えた。 
「変見自在」の書籍も新潮社で18冊刊行してきたが、そんな事情もあり、この秋に出す19冊目も宙に浮いてしまった。
幸い、ワック社が引き受けてくれることになって、11月半ばに上梓することになった。
タイトルは『この卑劣漢の嘘つきどもよ!』事実上、最終巻だ。
だれが卑劣漢かは朝日新聞もよく知っている。
この稿続く。

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