公明党と中国への過剰配慮──日本のイエ制度・「¥」問題・歴史観をめぐる歪み
本章では、折口信夫と藤井春洋の例から、日本の伝統的イエ制度が同性カップルにも法的保護をもたらす柔軟性を持っていたことを紹介し、公明党がその制度を破壊しようとしている矛盾を批判する。さらに、公明党が中国・韓国に過度に配慮し、中国の人権非難決議から「中国」「非難」「人権侵害」の語を外させた事実、人民元記号が「¥」を盗用した経緯、日本のODAに対する中国の忘恩、韓国の慰安婦問題利用などを指摘。高市早苗が掲げる対中強硬姿勢が有権者の支持を集める理由を論じる。
先人の知恵を生かせ
同性婚にしても別に法律で定める必要はない。
同性愛に14歳で目覚めた民俗学者の折口信夫は41歳のとき、20歳年下の教え子、藤井春洋を愛し、同棲を始めた。
しかし先の戦争末期、春洋が召集され、硫黄島に配属された。生還はまず望めなかった。
同じ民俗学者の柳田國男からのアドバイスで、折口は春洋と養子縁組をした。
寛容な日本社会は陰間茶屋まで認めたが、同性愛者の婚姻は許さなかった。
でも養子縁組すれば同じ姓を名乗れ、遺産相続も問題ない。同じ墓にも入れる。
「妻」か「子」かの違いをちょっとだけ我慢すれば、法的に同じ果実を得られることを折囗は身をもって実証したわけだ。
そのように先人の知恵があるのに、そういう話には目をつぶる。
日本のイエ制度を壊そうとする公明党の政策には疑問がある。
そもそもそのイエ制度のおかげで、公明党は大きく躍進することができた。
そのイエ制度を自ら破壊する行為は、自傷行為とも言えないか。
創作能力なしの中国
公明党は中国や韓国にも配慮する。
しすぎると言っていい。
たとえば、2022年、中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を念頭においた非難決議を採択した際に、最後まで「中国」「非難」「人権侵害」という文言を入れるのを拒否したのが公明党だった。
しかも斉藤が連立離脱の4日前、10月6日、議員会館内で中国の呉江浩駐日大使と会っていたことが報じられた。
中国の振り付け通りに連立離脱したとしか思えない。
中国は尖閣諸島の領海・領空を侵し続けている。
産経(10月13日付)によれば、鹿児島県・奄美大島沖の日本の排他的経済水域内で、9月末から確認されている中国の調査船とは別の調査船の活動が確認されたという。
外交交渉なんてまったくない。
朝日に興味深いコラムが載ったことがある(2015年11月19日付)。
編集委員の吉岡桂子による「ザ・コラム」で、人民元が国際通貨基金の仮想通貨「特別引き出し権」(SDR)の採用が決まる頃の話だ。SDRとは国際通貨の証明にもなり、ドル、ユーロ、ポンド、円で構成される。
吉岡は、 「$は米国のドル。Cは欧州のユーロ。では、¥はなんでしょうか」 と元欧州中央銀行総裁のジャン=クロード・トリシェに聞いたという。
彼は「日本の円ですよ」と答えたそうだが、当然の話だ。
ところが、中国は人民元が国際通貨になっても独自に人民元の記号をつくらなかった。
創作能力がない。
知財は盗めばいいと思っている。
それで元(Yuan)も日本円(Yen)も同じ「Y」だからと日本円の「¥」を盗用してきた。
ところが国際通貨になった。
「二つの¥」ができても中国人は何も考えない。
「中国は大国だから小国日本が変えればいい」と思っている。
実に横暴な態度だ。
国名にしても、それまでは「支那」で世界もシナ、チナ、チャイナなのに日本には「中国にしろ」と言ってきた。
それで仕方なく「中国」と表記したら日本の「中国銀行」も「中国地方」の名称も変えろと言ってきた。
マナーを知らない国民だからどこまでもつけあがる。
そもそも中国が世界第二位の経済大国になれたのも、日本のODA(政府開発援助)のおかげじゃないか。
40年以上にわたり続けられ、拠出総額は約3兆6600億円にものぼる。
しかし、彼らに恩義なんて言葉はない。
無知な上に尊大という中国人の正体を日本人は知らなくてはいけない。
韓国も中国と似たり寄ったりだ。
慰安婦なんて根拠のない話は、朝日が勝手につくった狂言を利用した格好にすぎない。
売春婦は韓国の唯一の産業だ。
それなのに朝日新聞謹製の連行慰安婦が出ると大騒ぎし、朝日はそれを嬉しそうに報じてきた。
中国・韓国の傲慢無礼な挙措に対し、公明党は何も批判せず、機嫌を損ねないように振る舞えとばかり主張する。
このまま日本が公明党的な態度を取り続けたら、「¥」も人民元に取られ、国土もどんどん中韓に侵食されかねない。
だからこそ、高市が主張する対中姿勢が多くの有権者の賛同を呼んでいることに、もっと注目すべきだろう。
この稿続く。