日本はどこに立つべきか──トランプ来日とハンチントン文明論が示す対中戦略
本章は、トランプの来日予定を踏まえ、日本がどの文明圏に立つべきかを論じる。サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』が示す「日本は中国文明とは全く異なる独自文明」という視点、そして第三次大戦の予測を紹介しつつ、ハンチントンが懸念した「日本が最終的に中国側につき滅亡する」というシナリオを警告する。トランプはDEI排除、ロシアとの対立回避、中東外交、レアアース戦略などを通じて「中国を孤立させる構造」を構築しつつある。日本が誤った親中路線を取れば国益は著しく損なわれるため、新総理はトランプの文明観と世界戦略を理解し、高市早苗との「タカトラ会談」が実現すべきであると論じる。
日本の立ち位置
10月末、トランプが来日する予定だ。そのとき、新総理が高市であれば問題ないが、どうなるか。
もちろん公明党政権では話が合うわけがないし、ましてや立憲民主党の野田政権だったら、日本は滅びの道を歩むはかない。
トランプはサミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』(集英社)をしっかり勉強しているようだ。
ハンチントンはその中で「日本の文明は中国文明と全く違う八番目の文明だ」と書いた。
例えば、歴史学者のアーノルド・トインビーは一時「日本文明は中国文明の付録」と言った。
ニトリの社長は「中国人の血が入って日本人に知性が付いた」といって喜んでいるが、中国人に知性や良識はない。
日本人と中国人に血縁がないのは明らかだ。
日本人は中国人の強欲ですぐ人を騙す性根の悪さを嫌っていたから、ハンチントンの「中国とは別」という文明論に小躍りしたものだ。それでこの本は空前の売れ行きを見せた。
この本の最終章にはやがて来る「第三次大戦」の予測が大胆に書かれている。
大要はこうだ。中国とイスラムが手を握り、欧米白人国家と対決する。
欧米はギリシヤ正教をカソリックと同等と認めてロシアを仲間に入れ、中国を敗って万里の長城の内側に追い戻す。
それは好ましい展開だが、問題は日本だ。
ハンチントンは、日本は「態度を決めかね、最後に中国陣営につく」という信じられない決断をする。
そして中国の盾になって先の大戦以上にぼこぽこにされて滅んでしまう。
「タカトラ会談」実現なるか
鬱陶しい結論だが、ハンチントンは日本がそうならないための献策をしている。
ハンチントンは「白人同士が戦っていれば、その隙に中国人が世界を牛耳る」と警告する。
だからロシアとの諍いをやめて手を捩れ。米国はアラブ諸国に接近し、イスラムと中国の交流を断ち切れ。そして日本を中国から引き離せと。
ここでトランプを見ると国内ではDEI(「{}回政置{}汐齔tyfflnclusion 」の頭文字をとった略語)を排し、ロシア嫌いのネオコンを封じ込め、国外ではロシアの僻みを溶かし、白人の同士討ちをやめさせようとしている。
ついでにウクライナのレアアースを確保したのも意味がある。
彼は同じ趣旨でグリーンランドも確保に出ているが、それはレアアースで世界を牛耳る中国の野望を挫くためだ。
トランプはまた中国とイスラムを仲介するイランを嫌う。
だから、中国と中東の関係を切断するよう動いている。
サウジアラビアでわざわざ会合を開き、中東との関係を深めたのもその一環だろう。
それによってイランを孤立させ、ロシアにはNATOの動きを押さえさせることで、ウクライナ戦争を終結させるように仕向けている。
中国を孤立させるには、ロシア、中東、そして日本を米国側に引き込む。
かつて日本と中国を引き裂いたのが米国だった。
そういう歴史をトランプがどこまで理解しているかわからないが、今の流れを見るとトランプは『文明の衝突』を読み込み、行動しているように見える。
新総理もトランプがそのように考えていると理解した上で、日本をあるべき方向に進めてもらいたい。
高市が総理であれば、まさに「タカトラ会談」が実現する。
親中政策をはじめ、外国人政策で振り回されるのはもう勘弁だ。
国民を置き去りにした権力闘争に日本人はうんざりしている。