大河内山荘の光と静寂――ミケランジェリのラフマニノフ第4番と響き合う“秋の極点”

2025年11月21日。
大河内山荘の紅葉は、まさに“秋の極点”とも言うべき輝きを放っていた。
光の入り方、木々の配置、庭を支配する静けさ――
大河内伝次郎が生涯をかけて築き上げた哲学と美意識が、
今日ほど鮮明に立ち現れた日はなかった。

この静謐を支える精神世界に最も近い音楽が、
**ミケランジェリによるラフマニノフ《ピアノ協奏曲第4番》**である。
ミケランジェリの研ぎ澄まされた構築美、
抑制されながらも深く息づく情熱、
そして完璧すぎるほどの間合い。
庭の空気と音楽が互いに呼応し、
大河内山荘の本質――“静かなる孤高”――が、
これまでにない強さで立ち上がってきた。

今日の撮影は、私の撮影史におけるひとつの到達点である。
この庭が秘めてきた美を、世界に向けて残しておきたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください