日本人が知らなかった“中国の本質”—宮脇淳子が語る、漢字文明・民族問題・そして日本の油断—

本稿は宮脇淳子氏の学識と、中国の本質に対する鋭い分析を紹介する。
中国が歴史的に「二千年変わらない腐敗」と「民族分断構造」を抱えてきたこと、そして漢字という表意文字が中国社会の粗野さ・強権性・意思疎通の欠陥を生んだという指摘は極めて重要である。
新疆ウイグルの「青空収容所」、スマホ監視体制、漢字支配を通じた民族抑圧など、中国の帝国主義的本質は今や明白となり、日本はこれを過大評価してきたと警鐘を鳴らす。
文章の核心は、日本人こそ油断を捨て、国益を自ら守り抜く覚悟を持つべきだという強いメッセージである。

日本人は中国を過大評価してきましたが、単なる力の信奉者の集団です。

2018年12月10日

宮脇淳子さんの存在を教えてくれたのは高山正之氏だったと思う。

伊勢高校~京都大学~大阪大学大学院で、モンゴル語を専門として学んだ宮脇淳子の学識が世界有数であることは、それぞれの高校、大学の同窓生は大いに誇りに思わなければならないだろう。

以下は先日、新聞の下段広告で知って早速購読している本の前書きである。

文中強調は私。

新版はじめに

宮脇淳子

2015年12月に本書の元版がビジネス社から刊行されたとき、真っ黒な表紙と大きな文字『中国壊死』とあるのを見て、私はびっくりしました。

宮崎先生と対談した内容は、そんなにおどろおどろしいものだったのかしら?

「百年変わらない腐敗の末路」って、私は二千年変わらない中国の本質とか、中国人が歴史的にはバラバラな人たちだという話をしたんだけどなあ、と思いました。

ただし帯にあった「歴史捏造と漢字支配の恐怖 いやでも中国人と戦う時代がやってきた!」はその通りで、3年たった今では、中国は、ますます日本にとって脅威になってきています。

中国からはよいニュースが何一つ聞こえてきません。

スマホなどITを利用した国民への監視体制は厳しくなるばかりですし、ウイグルやチベットやモンゴルなどの少数民族は、本当の意味での植民地支配下で苦しんでいます。

中国こそ、が、かれらが蛇蝎のようにののしる帝国主義者だということ、が、いよいよ明らかになってきました。

2018年8月、国連人種差別撤廃委員会が「新疆ウイグル自治区に、大規模な秘密の収容所が存在することを示す報告が数多くある」と報告し、「ウイグル族ら百万人以上が収容されている」と懸念を表明しました。

はじめ中国政府は「完全な捏造だ」と否定しましたが、衛星写真などで収容所があることが明らかになると開き直り、イスラム教徒に強制的に愛国主義教育を受けさせていることを認めました。

ここは中国なんだから、中国語だけで十分だ、漢字でない変な文字を使っていること自体がけしからんし、イスラム教徒であることを止めないならテロリストと見なす、というわけです。

ある外国人ジャーナリストなど、新疆ウイグル自治区全域を「青空収容所」とすら呼んでいます。

どうして中国人がこんなに粗野なのかというと、本書で私が説明したように、漢字というコミュニケーション手段のせいだと思うのです。

日本人はすでに9世紀にはカタカナとひらがなを発明し、話す通りに書くことのできる文字を持った上で、表意文字である漢字を便利に利用してきました。

だから、20世紀まで発音がバラバラだった漢字しか持っていなかった中国人のことを、本当には理解していないのです。

中国人には細かいニュアンスは通用しません。

見た目が同じならそれでいい、嘘をついても通ればいい、強い者が勝ったあとで天命が降りたから、と説明すればいいと考えています。

日本人は中国を過大評価してきましたが、単なる力の信奉者の集団です。

それでも中国人は生存競争の厳しい社会を生き延びる知恵を蓄えてきたので、私は最近、日本人の油断が心配で仕方がありません。

中国の悪口を言って憂さを晴らしている場合ではないのです。

本書を読んで、そんな中国に負けない強い日本をつくるためにはどうすればいいのか。

私も本気で考えますが、読者のみなさんも、日本の弱体化に手を貸す日本人を野放しにせず、日本の国益のために、それぞれの場所で頑張っていただきたいと思います。

平成30年10月記す

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