朝日新聞の執念と在日特権――深沢潮騒動が暴いた「言葉尻」と戦後日本の歪み

本章は、高山正之氏「変見自在」休載に至った深沢潮騒動の舞台裏を描きつつ、朝日新聞との長く深い因縁を遡行する。
朝日があえて「元産経新聞記者」という古い肩書に固執した背景には、毒ガス写真誤報や珊瑚落書き事件、南京報道などで産経に反撃されてきた「恨み」と報復感情があると指摘する。
さらに、在日作家の出自を長年伏せて利用してきた朝日の姿勢、創氏改名や朝鮮統治を「植民地支配」と決めつける歴史歪曲、そして特別永住権や生活保護をめぐる日本の異常な「在日優遇」の実態を具体的事例と判例で検証する。
GHQ路線を代弁してきた朝日などの言説から日本人がようやく覚めつつある今こそ、今回の騒動を奇貨として、戦後80年の洗脳構造と「日本人ファースト」の必然性に気づくべきだと結ぶ。

以下は前章の続きである。

長くて深い朝日との因縁 
今回のコラムは外国人帰化の問題に加え、例えば、明日香寿川のように通名で日本を愚弄する者がいること、それを朝日が助長していることを挙げ、朝日に新聞としての矜持を持つよう、諫言した。
そしたら朝日の必殺「言葉尻作戦」で仕返しされたみたいな形になった。 
ところが、朝日の記事、社説をよくよく読むと、「これが朝日の執念か」と思わせるところがあった。 
それが「コラムは、週刊新潮7月31日号に掲載された元産経新聞記者・高山正之氏の連載『変見自在』という部分だ。 
こちらが産経新聞を退社したのは2001年3月。もう24年以上前のことだ。
以後は某私大の先生をやりながら、月刊オピニオン誌『テーミス』、同『Voice』にコラムを連載し、1年後、『週刊新潮』に「変見自在」を書き始めた。
つまり四半世紀コラムニストとして書いてきたのだから、当然、肩書は「コラムニスト」だと思っていた。 
そしたら24年前まで遡って「元産経新聞記者」と書く。意味がわからない。
ちなみに、毎日などは「ジャーナリスト」、産経は「作家」と紹介している(笑)。これは正しい。
ノンフィクションで日本の航空史を書いた『飛行25000時間』(文藝春秋)、推理小説『チェレンコフの業火』(同)、先の戦争の戦跡を綴った『白い人が仕掛けた黒い罠』(ワック)などがある。日本ペンクラブにだって入れるのに。 
それを無視してなぜ、四半世紀前に遡って、そんな古い肩書きを朝日は使うのか。 
考えてみると、こちらと朝日の因縁は長くて深い。もしかして、その恨みを込めた報復劇なのか。 
細かいのは省いて世に知れ渡るようになった一件は、1984年10月31日付の朝日が1面で「これが毒ガス作戦」と写真付きで報じた件だ。
写真には10数条の灰色の煙がモクモクと空に立ち上っていた。
素人が見たって毒ガスじゃなく煙幕っぽい。 
そしたら遊軍の石川水穂が「あの記事も写真もインチキ」と、毒ガス写真の検証原稿を出してきた。
こちらは当時、社会部のデスクだった。
実は石川原稿はもう二日間、寝かされていた。担当デスクが「朝日新聞と喧嘩する」ことを躊躇っていたからだ。 
その頃は他紙に落ち度があっても非難しない、紳士の付き合いで、それを牽引していたのが朝日新聞だった。
第一次安保の折、朝日ジャーナルが学生をたきつけ、デモ隊は国会に乱入し、死者まで出した。
そしたら朝日の笠信太郎が在京新聞社編集局長を呼び寄せ、暴力デモ反対を謳う朝日謹製共同宣言を各社に載せさせた。
マッチポンプもいいところだが、各社はそれに倣った。
それほど威張っていたから石川原稿は取り置きになっていた。 
しかし、こちらは朝日の不見識がわかっているから、威光にひれ伏しはしない。
ためらいなく社会面トップで派手に掲載した。
毒ガスは地を這う。常識だろう。「空に立ち上ったらカラスしか殺せない」とおちょくってやった。 
そしたら翌日朝、朝日の学芸部長、佐竹昭美が産経新聞に怒鳴り込んできた。
朝日が裸の王様とも知らない編集局長や局次長、社会部長に至るまでみな逃げた。
出稿責任者のこちらが一人で対応したら、佐竹は気が狂ったように吠える。
「朝日に楯突くとはいい度胸だ」ときたから「ありがとう」と答えたら、ますます逆上して「嘘記事とはよく言った。産経など潰してやる」とまで言った。

崩れる朝日の威光 
この世に朝日をおちょくる者がいたことに本当に驚愕していた。
さんざ悪態をついたが、朝日の股肱の臣のように振る舞う毎日からも「あれはインチキ写真」と情報が入ってくる。
最終的に動かぬ証拠写真も生き証人も現れ、朝日が大誤報を認め、産経は潰されずに済んだ(笑)。 
佐竹とのやり取りは、こちらがあちこちで紹介したこともあって今や日本中に拡散している。
朝日は当時、「南京大虐殺はあった、都城連隊がかかわっていた」とやっていたが、それも嘘とばれて渡辺誠毅社長のクビは飛んだ。 
朝日の威光も崩れた。
それはその少し後の珊瑚落書き事件では裏切った毎日も含め各紙が朝日をこてんぱんに嘘つき新聞と書き立てた。
以後、各紙はよそのやった破廉恥を許さなくなった。 
その矛先は「北朝鮮は地上の楽園」に始まって「記事はみな嘘」「朝日で信用できるのは広告だけ」と、世評はきつくなる。
実際、珊瑚落書きでは一柳東一郎社長のクビが飛び、次の中江利忠もリクルートに饗応を強要していたことがバレてクビだ。 
以後も、誤報や虚報で社長のクビが飛び続ける。
「朝日は取材しないで嘘を書く」と、こちらも「変見自在」でも書き続けた。「取材ファースト」だと。 
そういういきさつがあった。だから、朝日はこちらの肩書を一切無視し、25年も前の肩書きを持ち出したんじゃないか。 
これで渡辺誠毅と佐竹昭美の敵討ちができたと思っているのかもしれない。
いかにも朝日のいやらしい意図、意趣返しのようなものを感じる。

在日に対して寛容すぎる 
ついでに言うと朝日は8月11日付の社説で「深沢さんのルーツが伏せられていたとする事実誤認もあった」と書くが、先述したように伏せていたのは朝日のほうだ。 
深沢の父親は在日一世、母親は在日二世で、深沢自身は1994年、日本に帰化した。
自身の在日体験について、2023年5月のトークライブで語っているが、幼稚園か小学校での給食のとき、スプーンが配膳されていないことに気づいた。
「スッカラ(韓国語でスプーンの意)ちょうだい」と周囲に言ったら、何の反応もなかった。
家に帰って、母親に尋ねたら、「その言葉は学校で言っちゃいけない。スプーンって言うんだよ」と注意を受けたという。 
先の文学賞を受賞した2012年の時点でも、在日だった過去についてはひとことも話していない。
帰化一世についてもだ。
2019年、『週刊ポスト』(9月13日号)の特集「韓国なんて要らない」が発売され、大きな批判が巻き起こった。
深沢は当時、『ポスト』で連載をしていたが、特集内容に憤り、抗議して連載を下りた。
しかし、その時点でも、深沢は自身の出自を明らかにしていない。
ところが、ようやく最近になり自身の過去を明かし、それを売りにするようになった。
しかも、朝日は深沢の出自を自ら明かすまで、日本人・深沢潮として紙面に登場させ、女性問題などを語らせていた。
彼女の出自を明かした上で、日本の問題を語らせるなら、読者もまだ客観的に受け取ることができる。 
こちらのコラムは朝日のそんな歪んだ態度・やり方を指摘したのだが、その問題点を朝日は無視し、排外主義だと批判する。
まさに揚げ足取りの何ものでもないが、そんなやり方こそ、こちらが「変見自在」を通じて注意してきたポイントだろうが。 
ともかく今回の騒動の背景には、日本人の在日に対する寛容すぎる態度が根底にある。 
お笑いタレントのみやぞんは、高校時代に運転免許証取得のため鮫洲運転免許試験場を訪れた際、係員から外国人登録証明書が必要だと指摘され、初めて出自を知ったという。驚くべきことだ。 
深沢にしても外国人でありながら学校にも行けて、自身がよそ者であることを知るのが、何年か遅れてくるとも書いている。
そんな悠長なことが言えるのは日本だけだ。
外国であれば毎年のようにパスポート更新があり、指紋押捺も要求される。

日本をなめ切っている 
戦後の日本では、戦災や外地からの引き揚げで無一文になった人が溢れていた。
厚生省は生活に困った日本人に生活保護を出すことにした。
そしたら不法入国した在日朝鮮人が「俺たちにも寄こせ」と騒ぎ出した。 
彼らは暴力に任せて好き放題をやっていた。街中の川にフタをして上にパチンコ屋をつくった。
新橋や新宿駅前を不法占拠し、飲み屋街をつくった。
そんな好き勝手の仕上げが「生活保護を寄こせ」だった。 
最初の標的は神戸の長田区役所だった。数百人の在日が何度も押しかけ、区長を監禁し、職員に暴行した。
彼らは首相官邸も襲撃している。放置すれば死人も出かねなかった。
厚生省は屈し、局長通知の形で在日に生活保護費を出すことにした。脅しで法が曲げられてしまった。 
この事実は最高裁も認めている。
中国人が出した生活保護申請について「外国人に生活保護費を支給する法的根拠はない」と判断した。
当然の話だ。在日韓国人に対しても同様の措置を取るべきだろう。 
もう一つ許せないのは、海部俊樹政権(韓国は盧泰愚政権)の時に決められた永住権解釈だ。
在日に与えられている特別永住権は実に緩い。
永住権を持った外国人でも懲役一年の罪を犯すと国外追放になる。 
ただ在日の特別永住権は並みの犯罪では追放にならない。
懲役七年以上の重罪、つまり、殺人を犯すと初めて国外に追放すると法律で決められている。 
しかし海部が盧泰愚と会談した頃、数十人の有期刑殺人犯がいて、その多くは娑婆に戻ってそのまま日本に在住していた。
日本は法に則り、韓国に追放しようとした。当たり前だ。 
海部がそれを盧泰愚に言ったら、盧泰愚は「彼らはハングルが読めないし、韓国語も話せない。送り返したら彼らが可哀そうだ」。 
そしたら、海部は韓国側の言い分をあっさり受け入れ、在日韓国人は国外追放されなくなった。
それ以降、殺人者でも日本にいられる。
こんな法を無視した話が平気で罷り通る。特別永住権も根拠は強制連行の嘘だ。彼らはとことん日本をなめ切っている。 
今回の参院選で参政党が躍進した理由もそこにある。
「日本人ファースト」という言葉を朝日を筆頭としたメディアはこぞって批判したが、結果を見れば多くの日本人に響いたことは確かだ。 
そういう意味でも、GHQの要求を受け入れてきた朝日の言説に、日本人は騙されなくなっている。
戦後80年を迎え、ようやく洗脳が解けてきたのかもしれない。
今回の騒動を奇貨として、朝日のやり方に少しでも気が付いてほしい。そうすれば日本も少しは変われる。

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