光が降りてきた日 — 京都府立植物園と上賀茂神社 2025年11月22日

2025年11月22日の京都撮影記録。
京都府立植物園で季節外れに咲く薔薇の香りに出会い、上賀茂神社では七五三や鎧祭りの雰囲気を撮影。
曇天から一転、紅葉の名所で太陽が差し込む瞬間に立ち会い、晩秋の京都が持つ神域の空気感と静かな奇跡を記録した一篇。

2025年11月22日。
天気予報では今日は快晴だった。
私は京都を撮影し続けて20年以上になる。
今朝も親友と話をしていたのだ。
紅葉が見ごろになった週末の土日、雲ひとつない快晴になることが多い。
まるで、平日めいっぱい働いた善男善女たちのために、天は、ご褒美として快晴の週末にしてくれる、そう思われるほどだ。
朝早く京都に向かった。
今日の予定は、京都府立植物園、それから上賀茂神社に向かう、最後に、京都の「紅葉の三大横綱」の一角である永観堂・・・我ながら、とても楽しみな行程だった。
ところが、京都府立植物園で撮影を開始した途端、太陽は雲に覆われてしまった。
どうしようかと思ったが、仕方なくサザンカなどを撮影しながら歩いているうちに、バラ園にたどり着いた。
驚いた。
11月22日だというのに、京都府立植物園は見事にバラを咲かせているのである。
この季節にバラの香りが嗅げるなんて、なんという幸運だろうか。
とりわけ“French Perfume”という品種の香りは、例えようもなく素晴らしかった。
読者はご存じの通り、私は、バラの香りが大好きなのである。
もう一度天気予報を見直してみると、13時から晴れると書いてあった。
そこで近所のなじみのレストランでゆっくり昼食をとり、それからバスに乗って上賀茂神社に向かった。
まだ太陽は姿を見せなかったが、雲の合間から顔を出す気配は感じられた。
やっぱり上賀茂神社はいい。
ここには、そう思わせる何かががある。
今日は七五三の祝いで、その雰囲気も良かった。
境内に入り撮影を始めた途端、神主を先頭にした行列が現れた。
写真を撮っている人もいる。
何の行列かと尋ねると、「鎧祭り」なのだという。
境内に入り、私は撮影を続けた。
川、橋。それらも神聖なものとして扱われている。
そうしたものを眺めながら撮影していた、ある場所で、私は突然、強烈な霊気を感じた。
「ああ、この神社はすごい…。
以前にも感じたものだ。」
私は再び、初めて訪れたかのような気持ちでシャッターを切り続けた。
そうしているうちに、上賀茂神社の紅葉スポットと言えばここ、という場所に着いた。
その時である。
太陽が三千世界を照らすかのように、一気に輝き出したのだ。