「関西一流ホテル」その後の算盤…週刊新潮、今週号から。
計画停電はない、放射能もないとあって東京からの避難組が殺到した関西の一流ホテル。一時はどこも一杯で、バカ高い値段をふっかけたところもあったが、あれから1ヵ月、〝震災景気”はまだ続いているのか。
少し前まで大阪といえば日本の凋落の象徴みたいな街だった。商店街は閑古鳥が鳴き、デフレのあまり10円の缶飲料を売る自動販売機まで出現。もちろん、ホテルも青息吐息だったのである。
*以前にも外誌の報道を後追い取材していた、この記者は、大阪を本当にボロクソに書くのである。(苦笑)…10円の缶飲料…こんなもの、芥川は見た事がないし、多分、一日掛っても探せないだろう…そんなレベルの事象を持って大阪を総括するとは最低だよ。この点、厳重注意。
大体、そんな阿呆を書く前に、自分たちが、作り続けた、この20年超の、東京一極集中、の弊害を書くのが、ジャーナリストってもんでしょうよ。
が、3月11日を境にして一変する。何しろ東京ではいつ電気が消えるか分からないし放射能も心配-というわけで、震災が起きると、外資系企業の社員を中心に次々と関西に逃げ出した。
例えば、ドイツ系のソフトウェア大手『SAPジャパン』では、3月14日から25日まで東京本社を閉鎖して機能の一部を大阪に移している。
「希望者には大阪と神戸のホテルを用意しました。ドイツ本社のエグゼクティブが判断したことです」(広報担当者)
また、欧州の自動車メーカーも、地震当日にさっそく役員が大阪に避難、続いて社員250人のうち約40人が大阪に移動している。
こんな調子で、皆大阪に押しかけたものだから、どこも満杯。
「入ってくる予約は50~60室単位で、多いところは100室というのもありました。宿泊料についても、もう金額は問わないljという感じでしたよ」(ホテル阪急インターナショナルの営業担当者)
『ザ・リッツ・カールトン大阪』は普通に泊まると1泊5万2000円(週末プラン)も取られるが、
「震災直後から4月の上旬までびっしり満室でした。東京の会社から10部屋単位で予約があって、連泊・長期宿泊が多かったです。お客さんですか? うちはほとんどがエグゼクティブの方です」
値段も4割増し
この〝民族大移動″に、今が書き入れ時、とばかりに普段より4割増しの値段を吹っかけたホテルもあったが、それでも部屋はすぐ
に埋まったという。
だが、あれから1ヵ月、大盛況だったホテルから、どうしたことか潮が引くように客がいなくなっているではないか。
一時は大阪から広島までの当社の系列ホテルがすべて満杯でしたが、すでにそうしたお客さんは引き払ってしまい、今は厳しい状態です。
何しろ観光でやってくる外国人客がほぼキャンセルになってしまいましたから」(大阪新阪急ホテルの営業担当者)
『帝国ホテル大阪』も、見込んでいた花見の外国人客がさっぱりで。
〝特需″なんて言われましたが、ほんの1週間だったのかなという印象です」(広報担当者)
一部にはまだ東京の避難客が滞在しているホテルもあるが、多くは客がいなくて困っているという。皆どこに行ってしまったのか。