一極集中で、よいのか…今朝の朝日新聞、社説から。
*最近の朝日新聞は、自然で当然なことを書く様に成って来たと芥川は感じている…H氏が、実質的に去ったのかもしれないな。
黒字化は芥川。
東京は「強い首都」だった。カネ、モノ、人材、情報。その集積が集積を呼び、日本を引っ張り続ける。1ヵ月と5日前まではー。
大震災で一転、その弱さをさらけ出すことになった。
当日の夜は自宅に帰れぬ人があふれた。計画停電に企業も人々も振り回された。そして今、放射能の不安がじわり広がる。外国人ビジネスマンや観光客が街を去る動きもある。
東京はこれまでの東京でよいか。東京で働き、暮らすすべての者に突きつけられている。
まず求められるのは、震災に向き合うことだ。東京は、農水産物や工業製品、電力供給のかなりの部分を東北と北関東に頼ってきた。被災地の復興のために支援を惜しむべきでない。
都営住宅などで被災者を受け入れたほか、都内の親類宅に身を寄せる人も少なくない。ふるさとのつながりを尊重しつつ、官民挙げて支えたい。
日本の消費生活の中心でもある。節電やムダ減らしに励むと同時に、過度の自粛で縮こまるのはやめたい。産品を買うことで被災地を応援する方法だってある。節度ある日常。東京人の常識力が問われる。
今後30年間にマグニチュード7クラスの首都直下型地震が起きる可能性は70%、想定される犠牲者数は1万3千人-。ずっと前からの宿題も、急に目の前にのしかかってきた。
林立する高層マンション群は余震のたび激しく揺れる。いざというとき、救命や消防は。備蓄は十分か。燃料を行き渡らせるシミュレーションはあるか。政府や自治体の職員が被災しても住民を支援できるか。備えを早急に点検すべきだろう。
中央省庁や大企業は、東京から離れた場所にデータや指揮系統のバックアップ態勢を整えているか。首都が直撃されれば、影響はとても大きい。
東京1極集中の是正を、真剣に考えるときではないか。いま進行中の危機と、いつか来る危機に備え、日本の軸をばらけさせ、地域間のネットワークや相互補完で乗り切る。この国のかたちの問題でもある。
非常時の東京都知事に、石原慎太郎氏(78)が4たび選ばれた。選挙戦が低調なまま、有権者は現職の安定性に託すしかなかったともいえる。
石原氏は「高度防災都市に変える」「東京はダイナモ。東京から日本を救う」と力説した。
だがそのダイナモ(発電機)が冠水し、助けを求める側になるかもしれない。そのことを頭に入れ、かじ取りをしてほしい。