3・11 投資家の目 今朝の朝日新聞から。

赤字増やさぬ復興 移民受け入れも 変革の決断を早く    黒字化は芥川。
 
東日本大震災に見舞われた日本は今後、経済・財政でも様々な困難が予想されている。世界の投資家たちは震災後の日本をどうみているのか。日本復活に必要な条件とは。かつてジョージーソロス氏とヘッジファンドを運営し、現在はシンガポールに移住した著名投資家のジムーロジャーズ氏に聞いた。
 
ー東日本大震災が日本に衝撃を与えています。経済への影響をどうみていますか。
  
日本は本当に大好きな国で、心から悲しく思っています。考えられないような災害で、日々衝撃を受けています。状況を把握しきれていない段階だと思いますが、経済に短期的な影響が出るのは明らかです。しばらくはあらゆる面で厳しい状態が続くでしょう。しかし、その後、人々は再建にとりかかり、建設ブームが起きます。銅やセメント、鉄、農作物などに、かつてなかった需要が生まれることが期待できます」

ーいずれはプラスに向かうと。
  
「いや、私は日本について、長期的にはとても心配しています。最大の問題は人口減。日本は世界各国の中で最も深刻です。さらに、日本政府は巨額の借金にも悩まされています。人口が減る一方で、債務は増えていく。こうした状況で何も手を打だなければ、いずれ最悪の事態を迎えます。最近、一部の格付け会社が日本国債を格下げしましたが、日本人は現実に向き合わなければなりません」
 
-復旧・復興のために、政府支出はさらに膨らみそうです。
  
「確かに再建には巨額の財政支出が必要になります。しかし、これをいまの支出規模に単純に上乗せするだけなら、日本の衰退はさらに避けられなくなるでしょう」

-なぜですか。
  
「こういう状況に陥った国は、危機、もしくは危機に準じる状態になるまで、財政赤字を放置し続けることがよくあります。投資家はある時点で、その国の通貨や国債を『もう買わない』と言い出す。すると、通貨や債券相場が下落し、政府は資金を調達するのが難しくなり、巨額のを調達するのが難しくなり、巨額のお金を使えなくなってしまう。お年寄りの生活は苦しくなり、若者は衰退する日本を去って、海外に出ていくでしょう。こうなったときに初めて、『ああ、我々は長い間、間違ったことをやってきたのだ』と気づくのでは、遅いのです」

「東北地方は再建しなければなりません。しかし、他への支出はなるべく避けるべきです。役に立だない道路などの建設をやめること。政治家はたくさんの敵をつくることになりますが、最終的にそうせざるを得ない方向に市場が導くでしょう。1910年代の英国は、世界で最も力のある国でしたが、その後、内政で失敗を繰り返し、70年代半ばには国債が売れなくなり、国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぎました。3世代前までは最も裕福でパワフルな国だったのに、です。ポルトガルもかつて世界で最も豊かな国でした。日本でも同じようなことが起きつつあると考えています」

-日本が再び成長軌道に乗るために、最も大事なことは何だと考えますか。
  
まずは子どもを増やすこと。それにはインセンティブ(奨励金)と国民の意識変革が欠かせません。かづて絶望的な人口問題に直面したフランスは、インセンティブを出すことで子どもを増やすことに成功しました。日本の民主党政権は子ども手当を出していますが、十分ではありません。いくらお金がかかっても、誰も使わない橋や道路に使うより、子どもを産んでもらうためにもっと使うべきです」

…続く。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください