今朝の日経新聞「社説」は、原発安定工程表について…。
芥川が昨夜書いた「クリントン来日に合わせるかの様に、6ヶ月とか9ヶ月とかの数字を出す」
http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=27d7c4b4278b61694f18a7f04dc4d226
が正しかったことを告げている。それでは以下に。 黒字化は芥川。
原発安定の工程表は住民配慮が足りぬ
東京電力は福島第1原子力発電所の原子炉が「冷温停止」と呼ぶ安定状態に至るまで6~9ヵ月かかるとした、事故収束への工程表を発表した。工程表の公表は収束に向けて一歩前進と評価できる。しかし、なぜこれほど手間取ったのか。放射線の監視強化などは周辺住民の健康に直接かかわる課題だ。もっと早く手を打てたはずだ。
工程表によると、第1段階の3ヵ月間は、原子炉と使用済み核燃料プールを安定して冷やす設備の設置に費やす。同時に、原発から漏れ出る高濃度の放射能汚染水をある程度きれいにする処理装置も設ける。
これらの装置を動かし、第2段階の3~6ヵ月で、原子炉などを安定状態に落ち着かせる。壊れた原子炉建屋を覆い、放射性物質が大気に拡散するのを防ぐ。周辺の避難地域の汚染を取り除く作業にも着手する。
工程表通りにすべてが進めば、今年10月から来年1月ごろには、原発から空や海に出ている放射性物質の量を安全な水準に引き下げ、原発周辺の住民の避難解除が可能かどうか、判断できる段階になる。
ただこの工程表の実行は大変な困難が伴う。高濃度の汚染水の処理などで対応を誤れば、作業員の生命を脅かし周辺環境の深刻な汚染にもつ
ながる。原発の安定は早い方がいいが、働く人の安全などに十分配慮ト慎重に進めなければならない。
規模の大きな余震や新たな津波など、計画の妨げになる不測の事態もありうる。そんな場合の次善の策も、あらかじめ国民に示してほしい。隠し立ては不要だ。
工程表の公表を強く願っていたのは、先行きの見通しがないまま避難や屋内退避を余儀なくされている住民の人たちだろう。しかし、その内容と公表時期は、住民の懸念解消察第一に考えたものだろうか。
例えば、壊れた建物から大気に出ている放射性物質の量がいまだに正確に把握できていない。。空への放出量は事故の初期段階に比べてかなり少なくなったと推測されてはいるか、データなしでは不安をぬぐい去れない。早く測って公表すべきだ。
工程表は第1段階で、周辺地域の放射線監視の充実・強化を進めるとしているが、あまりに遅い対応だ。
東電だけでやろうとせず、放射線計測に慣れた大学研究者などの手を借りれば、もっと迅速にできる。
公表時期はクリントン米国務長官の来日に合わせたかのようにもみえる。
この工程表では周辺住民への気遣いが、依然として薄いように感じられる。