ギラード豪首相からの寄稿文抜粋…今朝の日経新聞7面から。
豪国民は3月11日に日本を襲った地震と津波による悲劇に衝撃を受け悲しんでいる。日本は独りで苦境に立ち向かっているのではない。豪国民と豪政府はアジアで最も古く親しい友人、日本とともにある。豪州は72人の捜索・救助部隊の派遣や復旧に向けた物資空輸など迅速で効果的な支援を続けてきた。私たちは日本が災害から速やかに立ち上がると確信しており、復興という巨大な仕事を抱える日本のパートナーとなる。豪日の協力関係は過去50年間の不朽の成功話であり、この惨事にかかわらずより強化されると信じている。
両国経済関係の基盤の強さや大きさ、安定性は素晴らしい。豪州は日本の最大の1次エネルギーの供給国で、輸出品は石炭、鉄鉱石、天然ガスなど多岐にわたり、日本が工業製品の輸出国になるのを後押しした。日本は豪州にとって2番目の輸出市場であり、2009~10年の対日輸出額は371億豪ドル(約3兆2140億円)に上る。対日エネルギー輸出は増えており、日本は豪州のエネルギー輸出の3分の1以上を購入する最大市場だ。現在の液化天然ガス(LNG)の契約では、13~14年までに対日輸出が年間1200万トンから2000万トン以上に伸びる。日本がこれまで以上に必要とする場合、豪州は安全で安定した確かな供給元になり続ける。
日本からの投資は豪州経済にとって明確かつ不可欠な支柱だ。日本は豪州の石炭産業を半世紀にわたり支え、日本企業はLNG開発で重要な役割を担っている。豪州西岸沖のLNGプロジェクト(イクシス)には日本の国際石油開発帝石から150億ドル以上の投資が見込まれ、13~14年に出荷が始まる。だが現状に満足すべきではない。…以下略。