日本株は魅力を取り戻せるか②…日経新聞1月15日9面より
市場の信認に利益必要
信越化学工業会長 金川千尋氏
…前略。
「経済に元気がないのだから、企業家が元気を出さないといけない。『やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば人は動かじ』という言葉もある。カラ元気でもいい。景気が悪い方が、モノの売りがいがあるというものだ」
…中略。
「世界を相手にする。たとえばブラジルの企業顧客は、けた違いの豪快な買い方をする。当社は売上高の3分の2が海外向け。収入が1割伸びた場合、増収額は海外が国内の2倍になる。日本企業なので海外だけでもうけるのは本来の姿ではないが、日本だけというのは考えられない」
「もちろん新興国には新興国のリスクがある。どこかの国で商品が売れなくなっても他国で売れるよう、常に世界を相手にしていないと危険だ。また販売と設備投資は違う。カントリーリスクの高いところには、原則として投資しない」
…中略。
「市場が短期的な収益を求めるので『100年の大計』が進められないという経営者もいるが、ごまかしだと思う。長期的な成果は毎月毎月の積み重ねだ。今がちゃんとできない経営者は先もだめだし、私か投資家でも信用しない」
…後略。