榊原英資が、ミスター円として勇名を馳せていた頃…日本に、「文明のターンテーブル」、が廻った頃の事である。

彼がアジアを円の通貨圏としようと至極自然・当然に考えた時（何故なら、それは世界の安定化に大きく寄与するものだったからである）、アメリカは、坂村健のトロン革命を潰した様に…（この時、米政府を強力に動かし、日本のＳを先兵として日本の官僚を降参させたビル・ゲイツは、今、自らが出資する会社と中国との合弁会社を立ち上げて、小型原子炉の開発に邁進し出したと、日曜日の日経新聞は伝えた訳である。＊彼は、昨年まで、この小型原子炉の事で、何度も東芝を訪問していた事は、注意深く新聞を読んでいる人なら知っているはず。）…榊原英資の発想を潰すべきではなかった。

何故かは云うまでも無い。

米国と屹立して世界をリードして行くべき超経済大国となった日本が、アジアを十全にリードしていたならば、今の様な不安定さは防げていたはずだからである。

何よりも米国は、100％意思疎通が出来る、同じ知性の高さ・深さと、自由を何よりも大事にしている…それらを最上位に置いている国とアジア太平洋地域の安定と成長を図れたはずだからである。

榊原英資の行動＝当時の日本の意思を、坂村健の時と同様に、米国が持つ悪しき所…自分の利益追求にだけ盲目的に突っ走る狭義さ、とでも言えば良いか…を曝け出して潰した結果、

米国は、今、およそ、現代世界で最も難儀な、或る面で20世紀の悪しき遺物の一つである、共産党一党独裁の中国と、今の様にして直面しなければならない事になってしまったのだ、と、芥川は断言しても良い。