農水省のカラクリに編されるな。日本の農業は強い  田原総一朗 週刊朝日1・20号から。

日本一の昼食を摂った時点で、まだ1時半だった。

そうだ、建仁寺に行こう…いつも寒い曇天の日に上がっているので、今日の様な良い天気の時に、方丈の庭と小泉画伯の雲竜図を撮ろうと向かった。海北友松の襖絵を撮影している時に、バッテリーが切れた。備えの物に替えたら、これまた残量無し。雲竜図を3枚撮影した所で、ジ・エンドだったが、今日は、とても良い日だったのである。東寺が素晴らしかったのだ。

帰路、新快速の車中で今朝の朝日新聞を読んでいたのだが、先般来、本来の、日本一のクオリティに復帰し出した朝日新聞の面目躍如と言って良いインタビュー記事が在った。

「世界でトップを取る」と題した村上隆の記事。

この記事を紹介する前に、先週号の週刊朝日、連載コラムでの田原総一朗の記事を先に紹介したいと思う。

これらに共通している事は、日本の官僚はテレビ化している=精神年齢12歳化している面が大いにあるのだと云う事。

20年超も、あんな番組を作り続けている国、官僚たちもまた、家に帰れば、こんな番組を見続けても居るのだろうかから、さもありなん。

農水省のカラクリに編されるな。日本の農業は強い  田原総一朗 週刊朝日1・20号

週刊朝日が百万部、購読される日本なら、「今」はなかっただろうと、寅さんも口上した。それはさて置き、本文に入る。

昨年末、年収1千万円を超える専業農家が岐阜県の大垣市に集まり、農業シンポジウムが行われた。

そのシンポジウムに参加して、私は日本の農業についてそれまで抱いていたイメージが、大きく変わった。農林水産省の演出、宣伝によって、とんでもない錯覚をさせられていたことを知らされたのだ。

たとえば、農水省の発表する農林業センサスによれば、日本の農業従事者の平均年齢は65・8歳(2010年現在)。つまり、ほぼ66歳となっている。このままいくと農業従事者の平均年齢が70歳を超える日も遠くないだろう。恐ろしいまでの高齢化で、日本の農業の崩壊は間近だと誰もが思う。私も、そのように捉えていた。

だが、大垣に集まった農業従事者の年齢は、多くが50代前半で、40代の人も少なからずいた。農水省が発表している年齢とは、大きなギャップがある。そのことを幹事役の専業農家の人に問うと、農水省の発表データにはあるカラクリがあることがわかった。

日本の総農家数は約252万戸だが、そのうち一定の規模を超える販売農家は約163万戸。さらにそのなかで農業による収入が、農業以外の所得、つまり兼業して役場や企業から得ている給料より多く、65歳未満の従事者がいる「主業農家」は約36万戸しかない。

ということは、約216万戸、総農家の約86%は農業で生計を立てているわけではなく、役場や企業に勤めていて、週末しか農業に従事していないということだ。I戸あたりの生産量は主業農家に比べてきわめて低いだろう。

そして、こうした人々が60歳で定年となり、勤め先を退職すると、形の上では専業農家となる。彼らは、当然ながら60歳以上であり、こうした専業農家が平均年齢を釣り上げる
要因となっている。もともと兼業農家だから、後継者もいない。

農水省は、こうしたカラクリを説明せず、日本の農業従事者は大変高齢で、。しかも後継者がいないと嘆いてみせている。農業が弱くて可哀想な産業だと言い立て、国から予算を少しでも多くぶんどり、農水官僚を減らすまいとしているのだ。

以下続く。

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