ブランド×女優…朝日新聞1月19日19面より

グッチは先月、俳優の武井咲(18)と「パトロネージ契約」を結んだと発表した。目的は「グッチが武井をサポートする」こと。グッチの服やバッグを身につけ、ミラノ・コレクションのショー見学やイベント出席をするが、広告やショーには出ない。

…中略。

新作ドレスを着た武井は初々しい笑顔で「グッチの似合う大人の女性になりたい」と語った。

…中略。

ディオールは今月、バッグ「ミス・ディオール」の宣伝にウクライナ出身のミラ・クニスを起用。映画「ブラヅク・スワン」の主人公のライバル役で注目され、小悪魔的な表情は広告でも健在だ。

02年からシャネルの「アンバサドレス(大使)」を務めるアナ・ムグラリス。09年の映画「シャネル&ストラヴィンスキ―」でシャネルを演じた時、ブランド側は過去の服を提供して協力した。

歴史的には、オードリー・ヘプバーンとジバンシイ、カトリーヌ・ドヌーブとサンローランのように、女優がデザイナーと親交を深め、創作意欲を刺激ずる「ミューズ」になることがあった。

「その人の雰囲気が服の魅力を増すような個性が必要。今で言えばティルダ・スウィントン」とファッションディレクターの原由美子さん。ティルダはジル・サンダーのデザイナー、ラフ・シモンズと親しい。

公開中の主演映画 「ミラノ、愛に生きる」で衣装を制作したシモンズは「私のデザインを完璧に体現してくれる。気品があり、かつ感覚の鋭い女性」とほれこむ。

一方、グッチと武井咲の結びつきが時代を象徴するとみるのは、ブランドの歴史と戦略について著書のある、ファッション週刊紙WWDジャパンの山室一幸編集長だ。

「市場が広がり、一人の俳優やモデルでイメージを統一できる時代ではない。今後はアジア、米国、欧州でそれぞれに『顔』を立てるようになるのではないか」(安部美香子)

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