「まず委員長職を常勤に」…朝日新聞1月24日34面より
生野照子・大阪府教育委員長 (心療内科医)
文中黒字化は私。
教育委員10年目。私なりに委員会が機能するように努めてきたが、限界も感じている。まずは委員長職を常勤化するべきだ。
診察の時間を半分に減らして取り組んできたが、学校の実態を把握し、課題を分析し、方向性を示して事務局を動かすには非常勤では時間が足りなすぎる。
委員になった当初は驚きの連続だった。学校訪問すると課題は山積。学力を伸ばそうにも生活環境の厳しさが立ちはだかり、熱心な先生ほど疲弊している。委員会は事務局の追認機関で会議での委員発言は言いっぱなし。
委員長になり、まずは自分で会議のメモを作り委員に配るところから始めた。今ではきちんとした議事録が公開されている。
橋下知事になり改革の速度が上がった。夜を徹して議論し、実績ある委員の主導で反復学習を強化。小学生の成績は全国平均に並ぶまでになった。委員長として各課に指示を出し議会答弁もしている。
教委にはまだまだ改革が必要だが、歴史の教訓が生んだ制度をなくしていいのか。万一政治が暴走したときの歯止めはやはり必要だ。問題があるから土台から壊すのではなく、改良の努力を続けることこそ必要だと思う。