南シナ海「聖域に」②…朝日新聞1月25日2面より
…前章からの続き。
豊富な石油埋蔵量
エネルギー面でも重要だ。中国国土資源省の内部資料によると、南シナ海の石油埋蔵量は「推定230億~300億トンで、中国の全埋蔵量の3分の1」。
中国石油大学の董秀成・教授は 「世界4大海洋油田の一つ。積極的な開発に乗り出すべきだ」と訴える。
…中略。
軍内では、09年から揚陸艦や爆撃機を使い、他国が占領する離島への上陸を想定した訓練を繰り返していた。
これに対し、平和的な解決を訴える外務省などが反対。胡錦濤指導部は昨年初め、「まず外交交渉を優先させ、だめならば軍事力を使うことを再検討する」と決め、ひとまず軍の動きを抑えた。
だが、世論は強硬支持が圧倒的だ。人民日報系の環球時報がネットで約2万3千人に南シナ海問題の解決法を尋ねると、83%が「軍事力」をあげた。元軍総参謀部で中国軍備管理軍縮協会理事の徐光裕・少将はこう主張する。
「歴史的に中国固有の海域を取り戻すことは拡張ではなく、主権の保護だ。中国はすでにそれを実行に移すだけの実力を備えている」
(三亜=峯村健司)