ギリシャ交渉大詰め…朝日新聞2月1日6面より
…前略。
今回のサミットでは、財政危機の国を助ける安全網としてつくった欧州金融安定化基金(EFSF)に加えて、欧州安定メカニズム (ESM)の設立を従来より1年はやい今年7月にすることを正式に決めた。
だが、支援に使える額の上限を計5千億万(50兆円)からさらに増やすべきだと指摘されており、域内最大の。経済大国ドイツに追加負担を求める声も高まっている。
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は1月のベルリンでの講演で「我々はより大規模な防火壁が必要だ、ESMを拡大すれば、とても利益は大きい」と述べた。独誌シュピーゲルによると、イタリアのモンティ首相もESMを1兆ユーロ(約100兆円)にすべきだとドイツに伝えたという。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も賛成だとされる。これに対し、ドイツでは追加負担への国民の反発が根強く、メルケル首相も「これ以上は負担しない」と繰り返してきた。
30日の記者会見で、ESMの拡大の議論をしたかどうか聞かれたメルケル首相は「(次回EUサミットの)3月に話し合う。今日はなかった」と述べただけだった。
(ブリュッセル‐福田直之、野島淳)