ソニー土壇場「勇退」劇 他…日経新聞2月2日1面より
ストリンガー氏、CEO外れる
…前略。
ソニーの株価は7年前の3分の1。テレビ事業は12年3月期まで8期連続営業赤字の見通しで、累積では7000億円を上回りそうだ。平井氏はこう言う。
「ハワードが陣頭指揮をとってこなければもっと困難な状況に置かれていたと思う」。事実上、1年前倒しで経営の全権を掌握することになった平井氏は、いきなり正念場を迎える。
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ソニー次期社長 平井 一夫氏(51)
昨年12月で51歳になった。ソー二―10代目の新社長は創業者である井深大・盛田昭夫両氏を除くと最年少になる。180センチメートルを超える長身で英語はネイティブ。幼少期から今まで行き来してきた米国で計20年を過ごした。
海外での呼び名は“カズ”欧米の企業経営者に見劣りしない得意のプレゼンで、「SONY」を世界に売り込んできた。音楽子会社のCBS・ソー二―に入社し、ゲーム子会社の米国法人に転じた。
昨年4月からテレビ事業の立て直しを任されたが、それまで主流のエレクトロニクス部門の経験はない。「自分がソー二―の社長候補になるとは思わなかった」と周囲に漏らしていた。
ストリンガー体制を支える「4銃士」の一人として頭角を現した。あるソー二―首脳は「与えられた責務に応じて大きく成長した一人」と評する。
事業アイデアをグループ内から広く吸い上げる対話型の経営スタイルをとる。大胆な改革を一気に決断する一面も併せ持つ。基幹部品のコスト削減でゲーム事業の赤字を5期ぶりに解消した実績を買われ、昨年4月に筆頭副社長に昇格したばかり。
4期連続最終赤字が確実なソニーの苦境をどう脱するか、経営手腕は未知数だ。妻と1男1女の家族は米カリフォルニア州に住むため月に数日はアメリカに帰る。単身赴任の休日は、趣味のスポーツ自転車で都内を疾走する。 (暁)
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