本質的な解決を放置した社会は、一将功成って万骨枯るにしかならない。
大停滞時代…2月3日、日経新聞夕刊5面から。
1991年にソ連が崩壊し冷戦が終結したあと、米国では軍需産業に代わって金融業が成長産業となった。自動車や電気機械といった製造業は日独の牙城で、米国企業は太刀打ちできなかったからである。
そこで米国は金融規制緩和を国策的に推進し、2000年代半ばには金融業が企業利益総額の40%を稼ぎ出した。しかしその利益の大半は、資産価格の予想に賭ける自己勘定投資によるものだった。
そうした投資の資金源としては低金利の円も利用された。この円借り取引が08年の金融危機までの円安相場を演出し、日本企業にも利益を与えた。日本は、米国の金融バブルに加担しつつ、それを黙認したという意味で「未必の故意」を犯したともいえる。
しかし銀行が儲かるとバンカーが高額報酬を得て、逆に損失が発生すると銀行救済に伴う財政負担が米国民に及ぶという状況は、庶民の反発を招いた。ウォール街を占拠する反格差運動も、反金融を旗印に掲げている。
本来なら、金融業に代わり情報技術(IT)産業が経済成長の原動力となるはずだが、スマートフォン(高機能携帯電話)と交流サイトだけでは収益と雇用の創出に限りがある。メディア・コンテンツが無料か、低料金で利用可能なことも、IT産業が基幹産業に育つのを妨げている。
米ジョージメイソン大学のタイラー・コウエン教授の近著「大停滞」 (仮訳)によると、ブログやツイッターは、利用者が暇な時間にほぼ無料で楽しむ娯楽であり、いくら普及しても債務返済に必要な収益や税収を生まない。
グーグルの雇用者数は数万人、フェイスブックは数千人。雇用や所得が増えないので、ますます多くの人々が無料の娯楽や安価な商品に殺到し、悪循環に陥っている。
人々の生活はITで便利になったが、新エネルギーや抗加齢剤といった画期的な製品は出現していない。
このままだと大停滞が続きかねない。
(法政大学教授渡部亮)
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