IT漬けが会社をダメに。「断食」を…朝日新聞2月8日13面より
トップレス・ミーテノング
…前略。
モバイル機器の持ち込みを禁止する会議や打ち合わせのこと。アメリカのシリコンバレフが発祥の地とされる。会議の参加者の集中力を高め、より深い議論をするためという。
企業や役所だけでなく教育現場でも問題になり、欧米の大学では教室にパソコンはじめデジタル機器の持ち込みを禁止しているところもあるという。
「トップレス会議」を提唱するIT企業社長 山本 孝昭さん(46)
…前略。
「インテルにいた時は、ITが広がれば世の中は良くなると思っていましたし、熱ぐ語っていました。俺がビジネスの世界を変えるんだって」 「うちでは「パソコンに拘束される時間を最小化」するとうたったソフトを企業に提案しています。
ITを全部やめるのは無理。ですから「断食」を提唱しています。依存し中毒になっていることを自覚しましょう、ITから離れる時間を意図的に作って、うまくつきあいましょう、と」
「会議はトップレスで行う、メールを見ない時間を作る。休みの日は会社のアドレスにアクセスしなくていい。そういうルールを、トップが主導して作るべきです」
取材を終えて
もう、キーボードなしでは記事が書けないカラダになっている。立派な依存ぶりだ。そんな私でも気になるのが、記者会見でよく見る、記者たちが一心不乱にパソコンをたたく姿だ。
あれで、目の前の大臣や経済人に鋭く切り込む質問ができるのだろうか。「突っ込むのが記者さんの仕事でしょう?」と、山本さんに突っ込まれてしまった。もちろん、このインタビューはトップレスで行ったが。
(編集委員 刀祢館正明)