大機小機 未来のためにもう一つの改革を…日経新聞2月11日17面より
…前略。
中央大教授の浅田統一郎氏は、国債の大部分は日本人が保有し、しかも円建てだからギリシャのような問題は起こらず破綻はないと言う。
東大教授の吉川洋氏は民間企業の例を挙げ、会社の株が大丈夫か否かの基準は技術や経営力などにあり、株主の国籍は二次的だと反論したうえで、公債残高の国内総生産(GDP)比が100%をはるかに超える日本では財政再建が急務だと主張する。
2人の意見を聞いた阪大教授の小野善康氏は、国債が大丈夫かについては浅田氏を支持しつつ、本当に国債が無価値になったら大規模な金融危機が起こるので、危機を回避するにはきちんとした返済計画が必要だとくぎを刺す。
…中略。
賢い財政支出によって現在の世代に職を提供し、未来の世代に高い生産性という資産を遺(のこ)すことはもう一つの大切な改革であろう。(文鳥)