この世に悪と言うものが存在していなくて、素晴らしい人びとだけの世の中で在ったなら、

この世で最も美しい心を持った方々には贈っても良いのですが、この世の大半の方々と言うのは、良くても功利主義で生きている方々であり、実に多くの者(全人口の2割)は、世界中に棲息する悪人として存在しているのですから。

わずかなお金で、その様な者たちの目に触れさせる事は、芥川が、生死に関わる程の事として味わった、断腸の思いと同様に感じるのです。

悪人の目にまで触れさせるとするならば、最低でも1万円位で発行しなければいけないだろうと、理屈抜きで思ったのです。

この世に悪と言うものが存在していなくて、素晴らしい人びとだけの世の中で在ったなら、お金は1円も要らない。

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