週刊朝日が100万部は購読されなければ民主主義は完成されない。…動かぬ証拠③
検審の議決書は報告書のコピペ
本誌は前号で、小沢氏の強制起訴前、特捜部が検審に提出していた「極秘捜査報告書」の全容についてスクープした。
そこには、田代政弘検事(45)=当時、東京地検特捜部=による虚偽の捜査報告書だけでなく、検察が組織ぐるみで検審議決の誘導を目的に作ったとしか思えない内容が記されていた。
改めて計6通の報告書を説明しておこう。
①【検察審査会議決の考え方についての検討結果】(2010年4月30日付)
②「想定弁解の検討結果について」(5月16日付)
③田代報告書(5月17日付)
④【小沢供述の不合理・不自然性について】(5月19日付)
⑤【4億円の出所に関する捜査の状況について】(5月19日付)
⑥【再捜査の結果を踏まえた証拠の評価等について】 (5月19日付)
これらの報告書は、検審が小沢氏に1度目の「起訴相当」議決を出した直後の10年4月30日から5月19日にかけて作成された。
①~⑤は、③田代報告書を除いてすべて木村匡良検事(当時、主任)が書き、これらの総括にあたる⑥を特捜部副部長だった斎藤隆博検事が書いている。
これらの報告書が、いかにゆがんだものであるかは、今回の判決でも明らかだ。
〈検察官が、任意性に疑いのある方法で取り調べを行って供述調書を作成し、また、事実に反する内容の捜査報告書を作成し、これらを送付して、検察審査会の判断を誤らせるようなことは、決して許されない〉とした上で、〈証拠の内容に瑕疵がある〉とまで踏み込んだ検察批判を繰り広げているのである。
…以下次章に続く。