貴方が週刊朝日を購読する人間である事だけが、日本を変える。③

…前章続き。  週刊朝日4/27号から。

野田首相が政治生命をかけて突き進んでいるのが、消費税率の引き上げだ。昨年9月の参院予算委員会で、「野田内閣は『直勝内閣』と言われているんですよ。財務省の事務次官が勝(栄二郎)さんという入らしいから。財務省が全部主導する、そこの事務次官が全部主導する。今度の増税でもそう」と指摘された。この発言に象徴されるように、官僚の思惑が随所にちらつく。

財務省が「増税」と主張するのは、ごく自然なことです。国の財布を預かっているのですから。しかし、野田政権にはあまり財務省の意見ばかり聞くなと言いたい。政治家には政治家の判断があるでしょう。「財務省支配」になっているから、「まず増税」という思考回路になってしまう。

個人的には、中長期的に消費税率を引き上げるべきだとは思いますが、いま議論すべきではない。景気回復に重点を置かなければいけないと思っています。欧州危機があって世界経済が悪く、日本経済も病み上がり。この状況で消費税を増税したら、いっそう景気が悪くなって所得税も法人税も落ち込み、最終的に税収は増えないでしょう。

これが経済政策の原則でしょう。野田政権には、極めて重要な政策においても背骨となる哲学や見識が見受けられません。

最大の関心事、原子力発電を含むエネルギー政策についても、同じことが言えます。野田さんはいまになってもエネルギー問題の将来像を明言していません。

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