貴方が、週刊朝日を購読する人間である事だけが、日本を変える。⑤
ここまで官僚に丸投げするのは、野田政権が「松下政経塾政権」でもあるからだと榊原氏は分析する。野田首相が、自分と同じ松下政経塾の出身者を中心に親しい「お友達」を要職に就けた結果だという。
若くして政治家 知識と人脈なし
松下政経塾とは、20代、30代から政治家になりたい人を養成する機関ですね。野田さんのほか、政権の中枢にいる玄葉さんや前原 (誠司・民主党政調会長)さんに共通しているのは、この養成機関を出て、府県会議員などを経て国会議員になり、政治の階段を上り詰めたこと。選挙戦術は知っている。演説はうまい。そういう訓練は松下政経塾でなされています。
その半面、官僚として行政に携わったり、民間企業に勤めて経済活動の一翼を担ったりした経験がありません。非常にきつい言い方をすれば、行政や経済を知らない人が政治家になっている。これでは選挙だけ重要視する「政治屋」です。行政や経済の知識がないだけではなく、人脈もない。
たいへん深刻な問題です。要するにマネジメント能力がない。行政については、省庁のどこにどんな指示を与えれば、官僚がどう動くか。それがわかっていない。
経済についても、経済同友会や経団連といった経済界との交流が薄く、民間企業との連係プレーも乏しい。
だから経済政策では、景気を回復させ、それを持続させる仕組みはどういうもので、何をどうすればいいのか、わからない。自分で政策の加減を制御できないありさまです。
…後略。