にようていしめい!?
さっきの章で書いたのでは、申し訳ないと思い。
40数年前の事である。
我が母校に、ゼロ式戦闘機の設計に携わっていたという経歴を持った理科系の先生が居たのです…顔は(すみません)破れ鍋に綴じ蓋の人だった。
この先生が、期末テストか何かの定期試験で、現代文か古文かの試験官として来た時の事だった…僕は、一番前の席…この先生の真正面の席に座って居た。
後ろから順番に廻って来た答案用紙を先生の机の上に置いた。
先生が答案用紙を確認、数え出し、数秒後のことだった…先生の顔が驚愕の顔に変わった…僕だけが見ていたはずだと思う…そして先生は豆鉄砲を食らった鳩の様な目をして、こう言ったのだった…このクラスはニヨウテイシメイと言う名前の者ばかりか!
普通は、受験者名が書いてある場所に、問題の答え…二葉亭四迷…が書いて在ったのである。
この事を、僕が、この40数年間に時々思い出しては笑うのは…試験中は、瞑想にでもふけっていたのであろう先生の、本当に吃驚した表情と…流石、ゼロ戦設計者…二葉亭四迷を…にようていと読んだ所にも有るのである。
目の前の僕は、先生より一瞬早く、事の次第を理解したのだが、僕より一瞬遅れて、理解した先生の、ばつの悪そうなと言うか何と言うか、
くりきんとんのTさんは、同級生も知らない、僕の秘密の笑い話を、思い出させたのだった。
因みに、この話を、弊社専務は、3回は聞かされていると思う…本当に、時々、突然、思い出して笑うものだから…そのつど聞かされる訳です。