帰りに本屋で、キオスクで買って読まなきゃ日本人じゃない…。しかも、たった380円だ。

以前からは考えられない「検察の暴走」
それを許したメディアの責任
元朝日新聞司法キャップ 松本正

これも超抜粋。
……
 小沢氏の捜査は違った。衆議院は昨年9月に任期満了を迎え、それまでには確実に総選挙が行われる。政権交代の可否を賭けた戦後政治史上、極めて重要な意味を持つ選挙となる。その時期に政治資金規正法の「虚偽記載」という形式犯で強制捜査に踏み切った。

金丸氏を政治資金規正法違反で摘発した前例はあるが、それは5億円もの巨額のカネを裏で受領したというものだった。これに対し、小沢氏の秘書の逮捕容疑は2100万円、しかも政治資金収支報告書に記載された表のカネだった。
 
特捜部の筋立ては、この記載の内容が虚偽で、実質は西松建設からの献金であって、政治資金団体はただのトンネルだというものだった。複数の特捜部OBも指摘しているとおり、これは前例のない筋立てだ。少なくとも、総選挙を前に野党第1党の党首の側近を逮捕するという悪質な事案でなかったことは確かだ。

 なぜ、このような捜査に踏み切ったのか。検察も行政府の一機関だとすると、政権が民主党に渡ってしまうことを食い止めたい、という思惑が働いていたのだろうか。検察の幹部は「検察が政治的思惑などで動くことはありえない」と言うが、それは心の内面の問題であり、国民は起こった事態で判断するしかない。

 その事態というのは、民主党にも大きなダメージを与え、政権交代への国民の期待感を一時的に萎えさせ、小沢氏が代表を辞任し今に至る混乱を引き起こしているという結果であり、こうなることは検察も事前に十分にわかっていたはずだ。

さらに民主党はかねて、警察、検察の取り調べをすべて録画しておく「全面可視化」に積極姿勢を示していた。これも、法務・検察にとって歓迎できないことではあったと思う。その真意はともかく、検察がこうした疑念を抱かれること自体、あってはならないことだ。
……