ゴルフ・フリークだった頃。

これも20年以上前の話だが、当時の僕は、ゴルフ・フリークでもあった…練習嫌いの…打ちっぱなしで黙々と打つのが嫌だったのですね…運動神経に、物を言わせた、下手の横好き…芥川は運動万能だったのです。

 

当時親しくしていたJTBの課長が「芥川さん、カウアイ島に出来たウエスティン・マウイは素晴らしいですよ。おまけにジャック・ニクラウス設計の素晴らしいゴルフ場を併設してる」…早速、行ってみたら、ゴルフ場は建設中だったが。

 

ジャック・ニクラウスに設計させたゴルフ場付きの、海辺のリゾートを創るとしたら、何処が良いだろう…ハワイは、もう十分だろう…ホスピタリティの素晴らしい国…メキシコは遠すぎる…イタリアもしかり…。

 

タイランドしかないな…東南アジアで殆ど反日感情のない国であるだけではなしに…当時、バンコクの「ジ・オリエンタル」は世界中の記者投票で10年連続世界一を続けていた…微笑みの国…ホスピタリティの帝王。

 

当時の顧問弁護士の顧客に、タイの陸軍NO2の娘が経営している会社が在った…三菱商事等にアスパラガスなどの農産物を納入している会社…彼女の会社の中に、弊社の支店を作る事と成り、弁護士と一緒にタイに向かった。

 

大変な強行軍で、タイの南半分に在った候補地を全部見て回った…海は良いのだが、土地が予想より遥かに高かった…タイは王国で、大半の土地は王様の所有…これではペイしないぞ。

 

最後に、プーケットに飛んだ…候補地は、後に、現地財閥と三菱商事出身者が共同出資して作った素晴らしいゴルフ場である、ブルー・キャニオン…

 

何故、芥川が、此処に、ゴーサインを出さなかったかと言うと、海辺ではなかった事と…タイは、ゴルフをするには暑すぎると感じた上に…途中に在ったゴルフ場で日本人がゴルフをしていたのが車中から見えた…一人のプレイヤーに56人のキャディーが付いていた…なんじゃらほい、これはゴルフとは違うものだなと思ったのだ。

 

ハワイに行くのだけが楽しみだったのだが、年々、オーバーナイトのフライトが、体に応えて来ていた…あの便に乗るのが、年々苦痛に成り出していたのと…平成2年から始まった日本の大停滞=不景気…に弊社も苦しみだしていた時、プーケットが頭に浮かんだ…その物価の安さと一緒に。

 

立て続けに、行っていた頃、ブルー・キャニオンに宿泊してゴルフをした時の事…僕は一人で廻るのも大好きなので、一人で廻っていた…僕の二組ほど後に一人で廻っていた日本人が居た…日野暉正だった…彼も死ぬほどゴルフが好きなんだな…彼のゴルフが、キチンと教わったゴルフであることは遠目にも分かった。

 

このゴルフ場のレストランで、スペイン人・ビジネスマンと一緒に食事をした。

…総量規制がもたらした日本の大停滞に話が及んだ…このままだと、弊社も、苦しくなるばかりだ…彼は言った…スペインにおいでよ…ゴルフ代は、わずか数百円、立派な家も日本のワンルームマンション並みで借りれる…買っても安い。

 

帰国して、確認してみたが、彼の言うとおりだった…仕事ばっかりして居ずに、…前章の機会を逃さずにいて、別嬪さんと結婚でもしていたら、今頃は、スペインで暮らしていたかも、と思いもする…この20年の事を考えれば、どちらが幸せだったかは言うまでも無いでしょう。

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