羽田空港国際化で加速する日本の没落…ライバル仁川「漁夫の利」

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国際化目前の羽田空港に

 

「あの巨人機は、実は昼間は着陸できないんです」

 

今回、羽田の国際化を可能にしたのは4本目の滑走路が増設されたためだった。だが、この新滑走路は設計上、巨人機の重さに耐えられない。誘導路も、前後の航空機と十分な間隔がとれない個所があり、混雑している昼間は受け入れられないのが実態だという。

 

「あの日、着陸できたのは空いている早朝だったからです」(専門家)

 

問題点はそれだけではない。例えば、国際線旅客ターミナルビルは早くも容量不足で、開業前から増築を検討中▽4本の滑走路は離着陸コースが交錯し、機体の異常接近が心配▽国際線と国内線のターミナルを結ぶ滑走路下のトンネルの幅が狭く、乗り継ぎ客や乗務員を運ぶ車両が渋滞に巻き込まれ、間に合わない恐れがある▽出発ロビーなどのデザインが5年前に開港した中部空港とそっくりで進歩がない……等々、枚挙にいとまがないのだ。

 

羽田は長らく国内空港で、首都圏の国際ハブ(拠点)空港は成田空港だった。羽田にとって、国際線を飛ぶ巨人機の飛来や、多数の国際旅客便の行き来は想定外。新ターミナルは少数の近距離国際便向けに設計されたに過ぎない。

 

にもかかわらず、昨年誕生した民主党政権は、本格国際化へ大きく舵を切った。都心に近い羽田の国際化はたしかに魅力的だが、十分な設計変更をしないまま、なし崩し的に国際化したツケが回ってきている。

 

しかも、中長期的にはさらに深刻な問題がある。羽田の国際化で成田の国際線が脅かされ、「東アジアのハブ空港」の地位が危うくなりそうなのだ。

 

航空アナリストの杉浦一機氏はこう指摘する。

「都心に近い羽田が国際化すれば、航空会社は今後、就航先に、まず羽田を選びます。その結果、成田の就航先が増えず、韓国の仁川空港や中国の上海、北京空港など、東アジアの大規模空港との実力差が縮まる恐れがあります」

 

特に仁川は成田を猛追している。01年に開港した仁川は成田より1本多い3本の滑走路を持ち、就航都市数は177と、97の成田より相当多い。便数も1日平均548便と、成田の512便を上回っている。

 

09年度は、航空貨物が246万と成田のI・25倍に達した。航空旅客も成田の9割の2963万人で、逆転は時間の問題だ。

 

1015日、世界最大の旅客機、エアバスA380が降り立った。翌日に菅直人首相が出席する祝賀会を控えての飛来だったが、国土交通省の専門家は、苦笑交じりにこう打ち明ける。

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