大人をまねる子供たち
大人をまねる子供たち
だが親なら誰でも知っているように、子供の問題で白黒がはっきりつくものはめったにない。毎年5人にI人がいじめを受けるが、多くの若者はいじめる側といじめられる側の両方を経験している。また程度の違いこそあれ、ほとんどの若者が何らかのいじめに関わった経験があるものだ。
それなのに「犯人捜し」の焦点を子供たちに絞れば、もっと大きな問題を過小評価することになる。テレビのチャンネルをいくつかチェックしてみるといい。出演者が髪を引っ張り合ったりする番組が次々と出てくるだろう。そう、私たちは他人の屈辱を食いものにする文化に生きているのだ。
政治も学校も娯楽産業も、子供は大人の姿に学ぶものというメッセージを送っている。それなのに子供に大人のまねをするなと言っても無理な話だろう。
10代の少女たちのいじめを描いた『女の子どうしって、ややこしいこの著者レイチェル・シモンズの考えも同じだ。「(悲劇的な事件や当事者の子供を)例外視すれば、問題は大人にあるという重要な点を見逃すことになる。