なお、海上保安官の皆さん、次から重要データは、週刊朝日にお持ち込みください。ネタ元は守ります。
まだある。ビデオ映像流出事件で急濾、前日に集中審議が決まった10日の衆院予算委員会は、テレビ中継が開始から30分遅れたのだが、このときも民主党が不利な様子を国民の目から隠したいような態度が見えた。
衆院予算委理事で自民党の塩崎恭久氏が言う。
「朝9時半からの理事会で、NHKのテレビ中継がないことがわかった。机をたたいて怒鳴っても、民主党はムニャムニヤと口ごもるばかり。10時過ぎになって、『こんなことで委員会なんか開けるか!』つて席を立ったんです。そしたら、慌てて追いかけてきて、やっとテレビ中継が入ることになったんです」
消えてしまった
情報公開の公約
国会関係者によると、「どうやら民主党がNHKに、『自民党ももういいみたいだから』と、ふんわりと工作したようです」
党内でも同じく、都合の悪い資料は隠される。
ここに厚さ7惣ほどもある資料の山がある。これは、先の参院選挙のマニフェストの“原案だった”資料だ。仙谷氏と高嶋良充筆頭副幹事長が責任者のマニフェスト企画委員会でまとめたものだ。ところが、鳩山由紀夫前総理の辞任、菅直人政権への移行とともに封印されてしまった。
「党としてまとめたものを、政権公約会議に上げ、5月中にはマニフェストとして仕上がるはずだった。ところが、総理交代でそれっきり。結局、仙谷さんが抱えたままで、出てきたのは、あの菅さんのペラペラの冊子だけ。『詳細はホームページに載せる』というので待っていたけど、いつになっても載らなかった」(当時のマニフェスト企画委員会で中心だった議員の一人)
封印された原案は、2009年マニフェストとの真摯な比較や反省点も綴られ、
「党の議員全員を希望の分野に割り振って、有権者から声を拾い上げ、丁寧に作ったものでした。仙谷さんは、そういうものと真正面から向き合いたくなかったのかもしれません」(同)
原案では、「情報公開」の大きな項目を設けていた。
「国民の知る権利、行政救済手続きの充実」
○行政の透明化と国民への説明責任の明確化を図る
○違法・不当な公権力行使から国民の権利利益を守る だが、採用された冊子では申し訳程度になっていた。
みんなの党代表の渡辺喜美氏が言う。「全く反対のことばかりが起こっていますね。今の民主党がやっていることは、情報の隠蔽、隠匿です!」
野党時代の仙谷氏はカームラの特ダネ記事を見て、「内部資料があったら見せてくれないか」と連絡してきたこともあった。カームラは、「資料はありませんよ」
と答えたが、権力の都合で隠された資料など白日の下にさらすべきだ!との思いは同じだったはず。それが今は隠す側? さびしい限りではないか。
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本誌・川村昌代