今朝の日経「大磯・小磯」から…需要拡大には雇用拡大が有効…。
…前略。
日本でもバブル崩壊後の景気悪化に財政出動で対応したが、期待したほどの効果がなかった。
その反動が構造改革と小さな政府につながり、雇用が大幅に減って、景気低迷が深刻になった。「失業は甘えです」という経営者の発言が出たのもこのころである。
…中略。
需要さえ回復すれば、景気は回復する。この夏の日本の実質国内総生産(GDP)は大きく伸びたが、理由は猛暑とエコポイント効果でビールやエアコンがよく売れたからである。
需要回復には雇用拡大が有効である。来年春に卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)は60%に満たない。
これでは、最も消費をしたいはずの卒業間近の大学生やその親たちも消費をするはずがない。状況改善のためにも、国の予算編成にあたり需要・雇用創出基準は重要である。
雇用を増やすには財政資金が必要だが、その一方で税負担が需要を圧迫するという。しかし、日本の税負担はたった37兆円であり、社会保障費の支払いを含めた国民負担率でも、経済協力開発機構(OECD)加盟30力国の中では下から5番目である。
税負担が大きいほど需要は圧迫されるというのならば、むしろ日本は先進国の中で需要が盛り上かってよいはずである。
…中略。
それが明確でなければ、現在の米国や構造改革が叫ばれた日本のように、再び小さな政府論が台頭して、雇用縮小と景気のさらなる悪化を招きかねない。 (魔笛)