芥川から小学館さんへのお願い。…「ドマーニ」のこと。
「ドマーニ」のこと。
芥川とローマの事については、「文明のターンテーブル」で書いた通り。
この頃の僕は、様々なことを考えていた…今のLast FMの先駆けの様な、FM局を開設しよう…今日は、ビートルズ、明日はetc.…クラシックの日もあれば、ジャズの日も…下らないおしゃべりは一切なし、朝から晩まで、聴くに値する音楽だけを流す。
出版のことも考えていた…最初のイタリア訪問の頃、イタリア語の「昨日・今日・明日」を、ソフィア・ローレン主演の映画に触発されてだろうが、確認した。
明日を意味するドマーニの語感が、日本人には、その意味も含めて心地よい。
帰国後、自分が考えていた分野で商標登録した。
だいぶ前に書いた様に、スーパー重課税という悪税を糾すために、1,000万円の広告費を掛けて、都内の日経新聞購読全世帯に折込、意見広告を打った頃のこと。
当時の弊社東京支店に、小学館編集局の担当次長が、やってきた…「ドマーニ」を譲って欲しい、と。
「当社は、オッジ(イタリア語で今日)を出しているのですが、今般、もう少し上の年齢層の女性向け雑誌を創刊する事になった…誌名としては、〈ドマーニ〉しかない…調べて見たら、御社が、出版部門で商標登録している…どうぞ我が社の趣旨を御理解頂いて、譲ってくれませんか」
この道のベテランと言った風情の、如何にも、出版界の人間…なかなか商才にも長けた感じの知的な人物だった。
憎い事に、芥川の、上記の意見広告も読んだと言うでは有りませんか(笑)
真剣な意味では、平成4年の総量規制以降の苦しみで、思い描いていた新たな展開の全てを閉ざされていた僕は、かかった費用と、とんとん(一体、何のこっちゃ。だが)の、驚くほど安い値段で、売って上げた。
後日の事である…当時、とても厚い交誼を得ていた、元・自民党国民会議の議長なる、親父さんに、こっぴどく、怒られた。「あんたはアホか…そんな安い値段で売る馬鹿が何処に居る…」
先日、地下鉄車内で、ドマーニの中吊り広告を観て、思い出したこと。
小学館さん、あんなに、格安で、大事な誌名を、譲って上げたんだから、今度は、僕の願いを聞いてくれませんか?(笑)
芥川は写真に於いても、ただ者ではないことは、見て頂いたら分かると思う。
ドマーニに、例えば「芥川の京都」というコラムを書かせて下さいませんか(笑)
ドマーニの市価を高める様な、素晴らしい写真=芥川の思索と、目の覚める様な文章を、毎号、書いて差し上げますゆえ。(文章は、なくてもいいぐらいだと芥川は思っているが)
あんなに、ただ同然で、貴重な名前を譲って上げたんだから…原稿料は、はずんでくれる事として(笑)