週刊文春、今週号から。
「本音を申せば」小林信彦さん。
あいかわらず机に向っている。小説はもうすぐ完成する予定だが……。以下略。
政治のニュースを聞くと、これはもう、どうしようもない。タクシーの運転手さんでさえ、「小沢一郎さんはどうなりますか」と訊く。一年前にはなかったことだ。
「〈特高〉検察がデキる人間を働かさないようにしている」
私は答える。鈴木宗男も収監された。日本は〈霞が関の利権を守る権力集団〉に占拠され、今のところ、光はまったくない。
敗戦後の六十五年を見てきたぼくは、最悪の時代に突入したと思っている。
〈特高〉検察と政治家が悪いだけではない。ダマされる国民がもっとも悪い、とぼくは気づいていた。
すべてが、ユルんでいる。…以下略。