鳳凰とフェニックス …ウィキペディアより。

鳳凰とフェニックス …ウィキペディアより。

東西の聖なる鳥の代表としてよく混同される両者だが、フェニックスのルーツはエジプトにあり歴史書によれば形態は猛禽類(エジプトで愛好されていた鷹)に近い。

これに対して、鳳凰は長い首、尾羽など孔雀に近い見た目をしており、そのルーツはインドにある[要出典]。それ以上に、鳳凰は雌雄の別があり卵も産むのに対してフェニックスは単性(雄)生殖をするとされているところに大きな違いがある。

フィクションにおいてしばしば同一視される背景として、両者は共に「火の属性」を持つという共通点が指摘できる(鳳凰本来の属性は風であるが、朱雀と混合され火となった)。鳳凰は南方(五行思想で火を表す)を守護する朱雀と同一視され、フェニックスは自身を炎で焼いて再生するという伝承がある。

鳳凰は英語ではチャイニーズフェニックスとも呼ばれている。

 モデル(実在の鳥)の比定

また江戸時代の『和漢三才図会』は鸞を実在の鳥としているが、鳳凰のモデルとなった実在の鳥類について諸説ある。
  マクジャク、キンケイ・ギンケイ、オナガキジやジュケイ類といった中国に生息するキジ類とする説。
  マレー半島に生息するキジ科の大型鳥であるセイラン(青鸞)とする説(吉井信照ら)。
 
セイランマレー半島に生息するカンムリセイラン(鳥類学者蜂須賀正氏はケンブリッジ大学に提出した卒業論文「鳳凰とは何か」において、鳳凰のモデルを、カンムリセイランとした[12]。頭がニワトリに似、首がヘビのようで、背中に亀甲状の模様があり、尾が縦に平たく魚に似ている、といったカンムリセイランの特徴を挙げた
 

 ツバメ説(袁珂の説。『爾雅』の記述に鳳凰の別名エンを「燕」と解釈。
  笹間良彦は鳳凰の相似霊長である鸞について、ケツァールが、鸞の外観についての説明に合致するという。
 
ケツァール 装飾における鳳凰

古代から中世にかけて東アジア全域にわたってその意匠が装飾に使用された。中国の殷王朝期の陶器に見られる。

日本では伝説にちなんで桐の家具に鳳凰を彫刻するものが流行したと『枕草子』にある。装飾芸術としては宇治平等院鳳凰堂が最も有名である。

ほか京都鹿苑寺金閣の屋上にあるものも有名である。なお鳳凰堂のものはデザイン化されて、2004年から発行されている新一万円札の裏面を飾っている。

学校では、専修大学や創価学園が、それぞれの校章に鳳凰の翼の意匠を取り入れている。

 鳳凰を取り扱った作品 
  『火の鳥』(手塚治虫) –
  登場キャラクターのひとり「火の鳥」は、鳳凰やフェニックス(不死鳥)がモデル。作中世界において、鳳凰や不死鳥と同一視されている描写がある。

  映画『鳳凰、わが愛』日中合作。

 地名 
  山梨県と秋田県に鳳凰山がある。
  中国湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州に鳳凰県がある。

 

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