そういえば芥川殿、尊氏公が貴殿の霊気の強さに石の上に姿を現したのじゃと…。
そうなのじゃよ。家康殿。それで思い出した事があるのじゃが。40年ほど前、京都に住んでおった頃なのじゃが、左京区の鴨川の付近に古い喫茶店があったのじゃよ。そこでわしはモーニングサービスを頼んで、何事か思索にふけっておったのじゃが、しばらくして、そこの女主人がじーっと、わしを凝視しておったそうなのじゃ。曰く、あなたには、とても強い霊気を感じる。以前に、あなたと同じような強い強い霊気をもった人が来た事があるのじゃが、偉い学者さんだったらしいいのじゃが…それは高橋和己ではなかったのではないか、と、今、思ったぞよ…あなたも、その霊気を磨き続けたらきっと大変な人になるやろと、それ位の強い霊気を感じました、と、わしを不思議そうな目で見て言いよったことがあるのじゃよ。 うむ、確かに、わしも感じるぞ、そやけぇ、わしはこうしてお主の前に現れた訳じゃ。わしも同感じゃ。それに、お主の前に、女主人の前に現れたのは、その高橋和己殿に、多分、間違いなかろうぞ。
さて、雪も一休みのようじゃ、さぁ、城内に参ろうぞ。
