さて、21世紀の最澄(笑)からの檄。
前々章の続きです。
内田さん、あなたが新聞の功罪のうち功ではないかとした上げ方は、僕でもうなずかされかかった。…違うのだがな。それは、そこに在る重大な問題を隠蔽することにしかならないはずだがな。と思いながらですが。
そんなことは平成2年~4年にかけて彼らが一斉に挙げた正義感の大合唱が、「日本の失われた20年」、をもたらして7人に1人が貧困者等と言う今を作った事の免罪符にはならない。それだけではなく、折角廻っていた、「文明のターンテーブル」、を大停滞させて世界をすこぶる不安定にしたことの免罪符にはならない。芥川は…日本がこの不用・無用の大停滞に陥らず、米国と並立する自由と民主主義の覇権国家として、その声を世界中に高らかに宣言しておれば…9.11すらなかったはずだとまで思うほど。…「第一章」をご参照ください。
あなたが指摘した中庸の実態とは、全員=各紙各局横並び主義がもたらした、権力や官僚側からの情報盲信、盲従、はては追従、…それがこの国の新聞社論説員、テレビ局関係者の実態ではないと仰るなら、末尾に記す芥川のメールで御指摘、ご教授下さい。…芥川は、全くその通りだと見抜いて、「第一章」、で何度も指摘もしてきたが、先週号のニューズ・ウィークは、「だから新聞はつまらない」、として、その実態を見事に検証し暴いた特集記事を発表している。これについては先ほど略であれば構いませんとの許可を得ましたから別な章で紹介します。
平成2年~4年にかけての事はマスコミの罪としてもはや明々白々。今だって現内閣のようなものを誕生させた4か月前に彼らが為した事を見れば、その罪も明らか。
内田さん、これからの事は、もっと重大な問題だと芥川は思う。「第一章」、で書いた様に、平成2年4月1日に大蔵省が為した総量規制は時期とやりかたに於いて致命的に間違った。それは何故かと言えば、官僚と言うのは優秀で当り前なのだが、国民の税金で飯を食っていて、自分の命をかけて経営している企業経営者ではないから、分析はすこぶる得意だが予測は不得手…物事はすべて長所の裏に短所ありなのだから仕方がないのだ。
例えば、今、かれらが震源地として為している増税論=消費税増税、これが本当に、これしかない策なのか、あなたは考えて見たか?愈々もって日本を衰退の奈落の底に落とす…過去の大国の衰亡時の様に…増税路線に入ってしまうのではないか、と言う危惧を持たなくて本当に良いのか?
あなたがまさにインサイダーになるとどうなるかの見本の様な論をなして擁護した新聞各社は今、財務官僚の言いなりに、またまた全員一致で消費税増税やむなしの声を挙げだしているが。
財務省(旧・大蔵省)は、平成2年と4年に、すこぶる優秀ではあるが予測能力には欠ける事を歴史的事実として証明している訳だし、日銀も含めた日本の財務官僚たちは極言すれば予測能力或いは経済についての認識が間違っていたとして、世界中から、先進国が経済危機に陥った際における失敗の最高の見本とされ、デフレに陥る事を防ぐための政策の、一番の反面教師役を務めている事も、もはや歴史的事実。
それだけではなしに、平成2年のバブルの崩壊以上の世界的な大惨事だった3年前の金融大乱から今日まで、米国は、日本の反対の事=財務省とマスコミの反対の事=を果敢にやって、既に景気回復の軌道に乗せたのも歴史的な事実。
あなたは彼らが本当に為すべき全ての検証を行った上で、本当に、他に方策がないから増税論を打ち出しているのだと盲従、追従しておるのか。芥川は方策はあるとして芥川の論を、「第一章」、で書いた…為替についての部分だけは割愛したが…株式市場の実態と本質を本当に知っている人なら、芥川の論は荒唐無稽な論ではないことは分かるはずだ。
あなたが株式市場を、これこそ私たちの社会の根幹に在るものとして、例えば、2年間に渡って朝から晩まで注視し続けた等と言う事は有り得ないのは明瞭なことだが。
僕は、この確か1月5日に、貴方が朝日新聞に載せた、「日本の新聞論」、は明瞭に間違いだと思うし、その間違いが、梅掉たいじんの弟子筋にあたるはずの貴方が(私淑か門下生かは知らぬが)己の安穏の中で、インサイダーとしての論を為したからだと、21世紀の最澄は檄をとばす。
あなたが一生働いて年収500万円の、無名の労働者なら、その代わりとしての4人家族の幸福の中で、インサイダーとしての論を幾ら為してもいいのだが、年収1,000万円を超え、学者としてだけではなく、有名な文化人、言論人として、その論で飯を食む人間である事を思えば、いまの日本の新聞を擁護するなんぞは言語道断だと最澄は(笑)優秀であるはずの貴方に檄をとばす。
大体が、口を開けば、平成の開国だとか騎兵隊だとか、ロクなもんではなかった侍の時代の言葉を、頻繁に…本当は、これらのことに等、大した関心は無いはずだ…使う事を、たしなめもしないような新聞が、まともな民主主義国家の新聞だなどとどうして言えるのか。
芥川が京都行を続けている事は既述の通りだが、この間のJR車中での事は、以下に述べる事の顕著な実例だろう…JRの新快速に新大阪から乗ったら運よく4人掛けの席が空いてた。目の前には新人と先輩という関係の看護婦さんが座っていた…どこにでもいるごく普通の女性たちである…全ての話がいやでも聞こえていたのだが、京都駅に近づいた頃に海外旅行の話になっていた…先輩が曰く、一定の休みが取れたら必ず海外旅行に行く、(その回数たるや、流石の芥川も完全に負け)…そして京都駅に着いた瞬間に言った言葉は、ロンドン・パリが、国ではフランスが一番すきやな。
何が、平成の「開国」か、これこそ阿呆の言葉。この時の目の前の女性なぞは氷山の一角で、この20年超、どれだけの日本人女性が、どれだけの国を訪れているか、一辺、聞いてみい。
開国していないのは、己の頭の有り様だけだど瞬時に気がつくはずだから。
内田さんからの御意見、ご教授、或いは出版関係者の方が…芥川殿、さぞかし書かねば成らぬ事が、山の様にあるのでござろう。芥川殿の文章はネットで読まれるものではないのではないか。我が社から本を出して、その中で、書いて見ませんか?と、思われた時は、
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