現政権には、この様な大将は一人もいないと、…信長公記より。
芥川は書いた。
… 「七月十八日、信長公は天人の衣装で、小鼓を打ち、女踊りをされた。津島では、堀田道空のお屋敷の庭でひと踊りされ、それから清須へお帰りになった。
津島五ヶ村の年寄(年寄=有力者)たちが踊りのお返しをしに、清須へやってきた。信長
公は、年寄たちを御前へお召しになって、『これはひょうきんだ』とか『よく似ている』などと、それぞれ親しく、気安くいちいちお言葉をおかけになり、もったいなくもご白身で年寄たちを団扇であおがれ、お茶を『飲まれよ』とすすめられた。かたじけないことであると、年寄たちは炎天下での疲れを忘れ、ありがたく、皆感涙を流して帰っていった」(現代語訳)