「正岡子規 言葉と生きる」坪内稔典〈著〉…朝日の読書欄から。

評者:四ノ原恒憲(編集員)   黒字化は芥川。

「子規」 「不如帰」 「時鳥」 「杜鵠」 「蜀魂」 「杜宇」・…・・。日本語で詩を作るアメリカ生まれのアーサー・ビナードさんは、これらすべてを「ホトトギス」と読む日本語表現の豊かさに、あるエッセーで触れていた。でも、正岡子規のことを知れば知るほど、「子規」の表記が印象深くなるとも。

…中略。

上京しての学生時代には、学友を容色、色欲、才気など八部門で採点。また、親しい友人を細かく分類する。ちなみに後の漱石は「畏友」、秋山真之は 「剛友」とはしかり。こんな、比較、分類という方法にこだわる思考の芽生えは、後の、芭蕉に比較して蕪村、古今集に比較して万葉集の価値の「発見」という、当時の評価を覆す、彼の大きな業績につながる。

…後略。

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