最後のページ。…産経新聞、阿比留瑠比 記者、から。
自民、公明両党から実務型閣僚を起用しようが、政権合意に基づく本格的な大連立であろうが同じだ。障害はただ一つ。菅首相の存在なのである。
「首相はリーダーとして何を国民に発信し、呼びかけていいのか悩んでいる」
首相周辺はこう漏らした。別の周辺は「首相はぶらさがり取材が好きじゃないんだ」と打ち明ける。
これらの証言を裏付けるように首相は3月11日の震災発生後、一度も記者団のぶらさがり取材に応じていないが、取材を拒み、執務室に引きこもる首相の真意は見え透いている。
「ややもすれば取材を受けることによって政権運営が行き詰まるという状況も何となく感じている」
これは昨年6月、首相が就任記者会見で語ったセリフだ。要は、国民に原発事故への対応や将来の復興ビジョンを自らの言葉で語るという首相の責務を果たさず保身を優先させているだけではないか。
首相は就任時、原則1日2回が慣行だったぶらさがり取材を明確な理由も説明せず1日1回に減らした。昨年6月の参院選公示日以降も2週間にわたりぶらさがり取材を拒否した。
「民主主義とは期限を区切った独裁だ」と明言してはばからない人なのだからさもありなん。だが、その帰結として首相には常に「保身」と「隠蔽(いんぺい)」がつきまとう。日本が危機を迎えている今だからこそこんな人に首相は任せられない。(阿比留瑠比)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110404/plc11040421040017-n3.htmから。