新聞・テレビでわからない大震災…週刊文春4月14日号から。
被災者たちは朝から床を雑巾がけ
菅総理の招かれざる避難所視察
「今日、菅直人総理が、こちらの避難所を視察に来て下さいます」
二日午前八時、陸前高田市の米崎小学校体育館にアナウンスが流れた。
しかし、被災者たちのリアクションはとても薄いものだったという。
「前日、陸前高田に来るって報道はあったし、みんな『ふーん』って感じで聞いてました。
特に歓声も罵声も上がりませんでしたね」(被災者の一人)
そんな「存在感ゼロ」の菅総理だが、少しでもボロを出すのが嫌なのか、なんと避難所内では民主党広報のカメラマンすらシャットアウト。視察は完全オフレコで行われた。
今回右頁に掲載した体育館内の写真も、避難所の男性が携帯で撮影していたものだ。
「一応記念に、と思って撮りました。僕以外に写真を撮ってる人はほとんど見ませんでしたね」(撮影者)
総理と言葉を交わした被災者らに話を聞いてみると、総じて感触は良くない。「どうでもいいことばかり喋ってた」「前に立って力強く演説してくれるのかと思いきや、各家庭を御用聞きみたく回るだけだった」「最初は一人一人話をしていたが、側近に急かされ最後の方は『頑張って』みたいに一言だけ」「千昌夫さんが来た時の方が盛り上がった」と散々だ。
挙句、慣れない低姿勢で痛めたのか、体育館を出てからはしきりに腰を押さえていた菅総理。
見え見えのパフォーマンスも「腰砕け」の結果となったようだ。
撮影 本社 田中茂