濫造「内閣参与」15人の中の「怪しげな人」…週刊新潮4月14日号から。
濫造「内閣参与」15人の中の「怪しげな人」
菅直人総理が内閣官房参与を濫造している。震災後に6人を任命し、実に、その数15人。〝玉石混淆″と楯楡されるなか、3月29日に発表された田坂広志・多摩大学大学院教授(59)の起用には、党内からも疑問の声が聞こえるのだ。
田坂氏は東大工学部原子力工学科卒で、技師として三菱マテリアル勤務の経歴を持つ。〝原子力の専門家″その一方、社会起業家フォーラムを設立し、起業家育成にも携わっている。
菅総理と田坂氏の出会いは、1月末にスイスで開催されたダボス会議(世界経済フォ上フム)でだった。
「菅総理はダボス会議で演説し、ご本人は〝好評だった″とご満悦でした。実は、田坂氏にそのスピーチライターと演出を依頼していたのです。それ以来、2人は会食を重ね、親密になったようです」(民主党関係者) 経済にも通じる原子力の専門家の起用は、菅総理にとって一石二鳥と思えるのだが、「最近の田坂氏の言動は原子力の専門家や経済人ではなく、宗教家のようなのです……」(同)
田坂氏は3月23日、東京都内で講演会を開いていた。講演では原発の問題点には触れず、こう語った。
「この日本という国は長く続いた混迷の時代を超え、素晴らしい国へと生まれ変わらなければならない。そのことを2万人を超える方々は尊い命を賭して、我々に教えてぐれた」
2時間30分に及ぶ講演にはスライドが使用され、そこには黒地に白文字で田坂氏の言葉が次々に映し出される。
田坂氏はこの演出を〝言霊プレゼンテーション″と呼んでおり、新興宗教の集会を想起させる。
田坂氏が語る〝素晴らしい国″とは何か、最後まで講演を聞いてもサッパリ理解できないのだが……。